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海沼実さんと音羽ゆりかご会、再来延
◆地元合唱団も出演「歌いつなぎたい」
「第1回のべおか童謡コンサート」が、30日午後2時から延岡市東本小路の野口遵記念館で開かれる。作曲家で音楽教育家の海沼実さん(50)=東京都出身=が、日本で最も伝統のある児童合唱団「音羽ゆりかご会」を率いて来延し、童謡の数々を歌う。地元合唱団も出演する。チケットを販売中。実行委員会(工藤由紀子会長)は、多くの来場を呼び掛けている。
海沼さんは「みかんの花咲く丘」や「里の秋」などの作曲で知られる海沼實氏(1909〜71)の孫。名前の読みは、ともに「みのる」。音羽ゆりかご会は祖父の實氏が創設した。アジアで屈指の児童合唱団として国際的にも高い評価を受けている。
延岡公演は2019年の「童謡100年記念ジョイントコンサート」に続き2回目。ピアニストと海沼さんを含め25人が訪れる。
演奏曲は「ダリア」「めだかごっこ」「たなばたさま」「のぼり猿」「ゆりかごの歌」「蛙(かえる)の笛」「とんがり帽子」「みかんの花咲く丘」「ふるさと」「どんな色が好き」「夏は来ぬ」など。
地元からは、工藤会長が指導する延岡少年少女合唱団と、中島玖美子副会長が指導するシルバーコーラスグループ「東海さわやかコーラス」と「コールなでしこ」の合同合唱団が「延岡童謡を歌い繋(つな)ぐ会」の名で出演する。
すべて自由席で、入場料は大人2000円、小学生から高校生まで500円。同記念館、実行委員会メンバー、延岡総合文化センター、TSUTAYA岡富店、西村楽器延岡店、市役所売店、門川町総合文化会館、日向市文化交流センターで扱っている。問い合わせ先は実行委員会(電話延岡22・7304)。
海沼さんは明治大学在学中に、同大が所蔵する内藤家文書(もんじょ)について耳にしていたことから、内藤家が治めていた延岡に親近感を持ち、2018年に長女を連れて初来延。その縁で翌19年のコンサートが実現した。ゆりかご会はこの時が九州初公演だった。
実行委員会は今回を「第1回」として、「童謡を歌いつなぐ」ことを前面に押し出したコンサートを続けていきたい考え。2回目以降は、地元の団体、個人、家族単位でも出られるコンサートにしていく予定という。
◆音羽ゆりかご会
1933(昭和8)年に海沼實氏が創設。今年創設90年を迎えた。名付け親は北原白秋。40年代にはNHKラジオドラマ「鐘の鳴る丘」の「とんがり帽子」に代表される放送主題歌を、70〜80年代には「ガッチャマン」「パーマン」「忍者ハットリくん」などアニメ主題歌も数多く世に送り出した。
現在は、レコーディング、ステージ活動をはじめ、政府式典やユニセフ、赤十字を通じた社会福祉活動にも積極的に参加。海外では82年に中国、90年にニューヨーク、92年にロサンゼルス公演を行ったほか、日本代表として出場したユニセフ国際フェスティバルやイタリアの国際児童音楽祭にはアジア代表として4回の出場、入賞経験を持つ。
◆海沼実さん
祖父の實氏が急逝した翌年の月命日に誕生。母は、童謡歌手川田(現海沼)美智子。少年時代には、CMソング「ヤン坊・マー坊天気予報」のマー坊役を歌った。
音羽ゆりかご会を率いての演奏活動では、自作詩の朗読やトークを交え、聴衆を童謡唱歌の世界に誘う。5人の子を持つイクメン父親として子育て支援や音楽教育に関する講演活動、特技の少林寺拳法を生かした青少年指導も行っている。現在、音羽ゆりかご会会長、全日本音楽教室指導者連合会会長、日本童謡学会理事長、明治大学講師。「童謡心に残る歌とその時代」「発声の達人」「海沼実の唱歌童謡読み聞かせ」など著書多数。