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地域の人と防災考え、共有−延岡中

本紙掲載日:2023-08-11
7面

校区内の津波避難施設巡る

 年間を通し、地域の人たちと防災学習に取り組んでいる延岡市立延岡中学校(粟田茂樹校長、283人)は4日、校区内の津波避難施設を地域の人たちと巡る「ミステリー・バスツアー」を開き、避難場所の特徴や避難する際に気を付けるべきことなどを共有した。

 同校は、昨年度の学校運営協議会の中で出された意見をもとに地域の人と合同で防災学習に取り組んでいる。先月には第1弾として、避難場所となる学校を生徒が案内する見学会を実施。

 第2弾の今回は、生徒会執行部や生徒ボランティア、教職員、同協議会の委員や区長、民生委員ら地域住民、市危機管理課の職員、防災士ら合わせて35人が参加した。

一行はバス2台に乗り込んで、方財地区、長浜地区避難タワー、東小の3カ所を訪問。移動中は生徒が、隣に座った地域の人らに「大人1人に必要な飲料水は1日何リットルか」「風呂に入っているときに地震が起きたらどうするか」などとクイズを出して、交流した。

 津波避難施設は生徒らの案内で見学。このうち長浜地区避難タワーでは市の職員が、2016年に市内初の避難タワーとして完成したこと▽津波は最短17分で到達する見込みで、逃げる準備に5分かかることを考えると12分以内に避難できる場所が地区内になかったことから建てたこと▽最大440人収容できること―などを紹介した。

 また普段は施錠されているが、震度5弱以上の地震が起きた場合は、鍵が取り出せる仕組みになっていること、緊急時は突き破って入れるよう、石こうボードが使用されていることなども説明。災害に備えて水などが備蓄されているものの、「440人分はない。避難の際は、命をつなぐのに必要なものを持参して」と呼び掛けていた。

 別府町の民生委員・森山和恵さん(68)は「自分の知らないことを知ることができ、楽しかった。1週間分の食べ物が必要といった話も聞けたので、もう一度見直したい」と話し、「こんなに大掛かりな行事とは思わなかった。素晴らしい取り組みだと思う」と感心していた。

 生徒会長の兒玉秀甫さん(14)は、「自分の地域の避難所でも知らない事が多かった。きょう学んだことを、生徒集会や総合的な学習の時間を使って全校生徒に広め、11月の避難訓練に向けてさらに深めていきたい」と意気込んでいた。

 同校は11月に、校区内の三つの地域と合同で避難訓練を計画している。

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