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虎彦サロンで「ふたり展」

本紙掲載日:2023-09-05
7面

荒木さん(延岡市)と安野さん(宮崎市)−15日まで、延岡

 延岡市稲葉崎町の荒木優子さん(65)によるディンプルアート作品と、宮崎市の安野実知子さん(75)が未ざらしガーゼで作った衣服を展示販売する「ふたり展」が、延岡市幸町の虎彦サロン(風の菓子「虎彦」内)で開かれている。15日まで。

 ディンプルアートは車のフロントガラス廃材でできた絵の具を使用。フロントガラスは特殊な樹脂膜で2枚のガラスを貼り合わせた構造になっているため、そのままでは再資源化できず廃棄するしかないが、国内の技術で樹脂を取り除き絵の具として再利用できるようになり、環境に優しいアートとして注目されている。

 ディンプルは「えくぼ」を意味する英語で、透明な絵の具で描かれた作品は波打つようなキラキラとした仕上がりが特徴。熱や水分にも強く、ガラス板やグラスに描いたステンドグラス調の作品や、制作した絵柄をシールのように張り付けた作品など、手軽にさまざまな表現を楽しむことができるという。

 荒木さんは「ムーンライト」の作者名で布小物や木工小物の制作活動に取り組む中、ディンプルアートにも興味を深めて今年4月にインストラクター資格を取得。自ら作品作りを楽しみながら、雑貨展などのイベントで体験ワークショップも開いて普及にも励んでいる。

 今回は花や動物などをモチーフにした卓上型のガラスアートや、ディンプルアートを施した木工作品やTシャツ、布の小物入れなど約60点を出品。「どうぞ、新しくユニークなディンプルアートをお楽しみください」と来場を呼び掛けている。

 一方、安野さんが衣服作りに用いている未ざらしガーゼは医療用ガーゼよりも織り目が細かく、軽さと肌触りの良さが特徴。この生地で作った衣服は夏涼しく冬は暖かく、着慣らし、洗うほどに柔らかくなるという。

 ミシンで縫い合わせた後、縫い代を押さえるために刺子(さしこ)糸でちくちくと縫う独自の作り方で、風合いを出すため糸端をわざと表に出すなど工夫。今回は藍染めや柿渋染め、染めなしのベージュとさまざまな色のベストやブラウス、ワンピースなど約30着を用意した。

 また、布小物や着物生地をリメークした帽子、2人の娘が作ったビーズのアクセサリーなども展示販売。「未ざらしガーゼの服は一年中着ていただけるのできっと重宝されると思います。お気に入りがあればうれしいです」と話している。

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