秋告げる彼岸花

◆日蔭棚田は見頃迎える−五ケ瀬町鞍岡

　「日本の棚田百選」に数えられる五ケ瀬町鞍岡の日蔭（ひぞえ）棚田で、秋を告げる深紅の彼岸花が見頃を迎えている。

　地元農家らでつくる「日蔭集落協定」（渡邊勝文会長）と同集落の敬老会員が約１５年前に移植。「美しい景観をもっと美しく」との思いが込められており、黄金色に揺らめく収穫間近の稲穂とのコントラストが美しい。

　渡邊会長（６１）＝同町鞍岡＝によると、今年は２０〜２６日ごろまで楽しめそう。「彼岸花が咲くと『今年も秋が来たな』と感じる。花は去年より若干少ない印象だが、きれいに咲いているのでぜひ、見に来てもらいたい」と呼び掛けている。


◆小黒木でも咲き始める−美郷町北郷

　美郷町北郷にある山あいの集落、小黒木の「小黒木彼岸花ロード」でも彼岸花が咲き始めた。こうべを垂れ始めた稲穂と山々の深い緑の中で、鮮やかな赤い花々が彩りを添えている。

　地域を華やかにして町内外の人たちに和んでもらおうと、２０年以上前に地元婦人部の人たちが町道や農道に彼岸花を植栽して始めた。例年９月の第１日曜日ごろにちらほらと咲き始め、中旬以降から満開になる。

　花が咲く前には、地域の人たちが総出で「道切り」と呼ぶ草刈り作業を行い花が映えるよう心掛けており、今年も今月３日に約３０人が参加して作業に汗を流したという。

　小黒木公民館長の瀬口茂さん（６９）は「これまで雨風の被害も特になく、つぼみもたくさん付けています。あとは咲き誇ってくれるのを待つだけ。来週辺りが見頃でしょう」と手応えを話していた。

　美郷町小黒木地区へは、車で北方ゴルフクラブ先の県道北方土々呂線三差路を左折して県道北方北郷線へ。黒木トンネル手前を右折して約５分の集落。中心部には農家レストラン「味さと」がある。