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地引き網漁を体験

本紙掲載日:2023-11-21
7面
地引き網漁を体験する上南方小中の児童

上南方小中の5、6年生


 延岡市立上南方小中学校(小林美和子校長、143人)小学部の5、6年生39人は10月25日、同市の須美江海水浴場で、昔ながらの漁法「地引き網漁」を体験した。児童は延岡の観光資源である海に触れ、ふるさとを愛する気持ちや自然を思いやる心などを育んだ。

 講師は、近くで民宿「紺碧(こんぺき)」を営む漁師の甲斐宏明さん(40)。危険な魚もいるため軍手と履物は必ず身に着けておくことなどを教わった児童は、5年生と6年生に分かれて、網の両端のロープを力いっぱい引き寄せた。

 息を合わせながら引いていくと、水面(みなも)からゆっくりと巨大な網が。網が砂浜まで届くと、中でぴちぴちと跳ねるツバメウオやニベ、カンパチなどの魚を興味深そうに眺めていた。

 甲斐さんはその後、魚を一匹ずつ見せながら特徴や食べ方を紹介。神経締めも実演し「かわいそうと思う人もいるかもしれないけど、どれも魚をおいしく食べてもらうための工夫。みんなも魚を食べる時は、感謝して残さず食べて」と呼び掛けていた。

 甲斐愛子さん(11)は「網は最初、重みがあったけど、みんなで引くと軽くなって楽しかった」。村田有沙さん(11)は「血抜きをして魚の臭みを消していることなど、初めて知ることも多かった。魚を感謝して食べようと思った」とそれぞれ話していた。

 これまで多くの地引き網漁体験で講師を務めてきた甲斐さん。「毎回どんな反応があるかドキドキですが、今回も子どもたちが楽しんでくれたようで良かった」「体験を通して須美江のことを好きになってもらい、また来たいなと思ってくれたらうれしい」と目を細めていた。

 地引き網体験の後は、砂の造形にも挑戦。捕った魚で作られたフライやみそ汁などの魚料理にも舌鼓を打ち、児童は延岡の海の魅力を存分に味わった様子だった。

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