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▽L サイズ 1枚 300円
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(A4サイズはラミネート加工もできます。ラミネート加工は500円追加) |
L サイズ
(8.9×12.7センチ) |
1枚 300円 |
LL サイズ
(12.7×17.8センチ) |
1枚 500円 |
A4 サイズ
(21×29.8センチ) |
1枚 1,200円
(ラミネート加工は300円追加) |
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能登半島地震を受けて−
◆「備えてますか?」勉強会
能登半島地震を受け、手作りの作品やセレクト商品などを扱う延岡市中町の「SOPO(ソポ)」(菊池綾代表)で9日、「備えてますか?」と題した勉強会があった。講師は2016年の熊本地震で被災した延岡市在住の藤本恵理さん(42)。8人が参加した。
藤本さんは発災当時、震源地から9・3キロほどの熊本市中央区帯山地区に居住。夫は海外赴任中で、小学3年の長女、年長児の次女と、夫の両親、妹と生活していた。
4月14日夜に前震、16日未明に本震と、最大震度7を超える2度の大きな揺れに見舞われ、頻繁に余震が起きた。
「屋根の下にいるのが怖かった」という藤本さんが被災から約2週間、子どもたちを公園で遊ばせながら、パソコンで記したという当時の日々の記録を振り返り、「被災した経験から伝えたいこと」を語った。
◆避難のタイミングと準備
本震発生は午前1時25分。「学校の避難訓練で『揺れが収まったら避難しましょう』と教わったが、揺れが収まったと思うと次の揺れが来る。逃げるタイミングが分からなかった」
覚悟を決め、自身が覆いかぶさって守っていた子どもたちに座布団、布団を掛けて安全確保した上で、避難の準備。家を出る前に、漏電防止のために電気を消し、盗難防止のため施錠した。近所の人にも声を掛け、家族全員で逃げた。
ところが、歩いてたどり着いた指定避難所の小学校体育館は、前年に耐震工事を終えたばかりにもかかわらず、天井を補強するボルトの破損で立ち入り禁止。ござが敷かれた運動場で、寒さに震えながら一晩を過ごした。
◆救援物資配布、炊き出し
救援物資は、本震発生後の午前8時には、1人1個のパン、1家族1本のペットボトルの水が配られた。しかし、その後も2人でおにぎり1個、水はコップ1杯など不足。
近くのスーパーやコンビニ、レストラン、ファストフード店などは開いていなかったり、商品棚が空っぽだったりの状態が数日は続いた。ガソリンスタンドも、平均で1時間並ばないと入れることができなかった。
本震から数日後、炊き出しは始まったが、「できるだけ現地から動くことができないお年寄りを優先してほしかった。(自分たちで動くことができる)私たちは自分たちで調達しようというのが、わが家のルールになっていた」。
コンビニで購入できたドーナツを昼食代わりにすることも。たまたま定期購入していたペットボトルの飲料水が本震前日に届いていたので発災直後から、支援物資の水は必要な人に渡してほしいと断った。
水が出ない状況に、義妹が車で40分ほどの被害があまりなかった友人宅まで行き、水をもらったこと、都市ガス復旧までに約2週間かかり、オール電化だった友人宅で調理をさせてもらった日があったことなどを紹介。
「車などがあり動ける人は、ちょっと足を延ばして自分たちで何かをするという行動は大切だと感じた」
「生きる責任」として、各家庭が3日間ほどの食料を備えておくこと、給水袋など、水を入れる容器を常備しておく必要性も伝えた。
◆欠かせない備蓄品
自身の経験から、欠かせない備蓄品として挙げたのが、水とガソリン。藤本さんが当時見た自動販売機のすべてで、コーヒー以外の飲料水は売り切れていたという。薬を飲むことができないと困り果てている高齢者に、備蓄していた飲料水を渡したこともあった。
その上で、「お裾分けしやすい」などの理由から500ミリリットルのペットボトルの水の備蓄を推奨。藤本さん家族も13日間、車中泊しており、生活拠点になる可能性がある車には常に、ガソリンを半分以上保っておくことも勧めた。
◆ボランティア受け入れ態勢
また、被災から5日ほどたち藤本さんが始めたのが、菓子を購入して避難所で生活している高齢者に届けたり、話を聞いたりすること。この頃、被災者が被災者を支援するという構図が生まれ、あちこちで見られた。
実は、発災直後に各地から多くのボランティアが駆け付けたものの、受け入れ態勢が整っておらず、帰ったボランティアも一定数いたという。
「本当に大変なのは被災直後よりもその後。ボランティアはすごくありがたいことだが、公的な情報を確認した上で現地に入ってもらいたい」。行政などに対しても、「『後から来てください』と明確に伝える必要がある」とも求めた。
◆個人からの支援物資
そして被災地に届く支援物資には、扱いに困る物も。藤本さんが支援に通った避難所には9個のランドセルが届いたが、必要な人はいなかった。さまざまな支援物資が届いたが、片付けないと学校は再開できない。
処分の話が出たものの、「せっかく贈ってくれた物」と藤本さんが送料を負担し、ランドセルを集めている団体に送った実体験を紹介。
個人から届いた支援物資は、仕分け作業に労力が必要で、現場を混乱させてしまうこともあった。「支援したいという気持ちは分かるが、地震の後は一度立ち止まる必要があると感じた」と呼び掛けた。
◆ワークショップを企画=
藤本さんは今回、「伝えないといけないとは思っていたが、きっかけがなかった」という被災経験をあらためて振り返り、伝えた。
「義援金を集めることはできるが、経験を聞いてもらった上での寄付だったら、何かメリットがあるのではないか」との思いから。
勉強会はドネーション(参加者自身が決めた金額を寄付)制で、寄付金は被災地に送るという。
ソポは今月、参加費の全額、もしくは一部を被災地支援に充てるさまざまなワークショップを企画している。詳細はソポのインスタグラムで紹介している。