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きょうから師走祭り−金ケ浜で海中みそぎ

本紙掲載日:2024-01-19
3面
海中で身を清める比木神社の一行(19日午前9時20分ごろ、日向市金ケ浜)

19日夕、迎え火−神門神社近く一本鳥居で

 美郷町南郷の神門神社と木城町の比木神社に伝わる百済王族の亡命伝説にちなむ「師走祭り」が、19日から始まった。21日まで、神門神社周辺で1300年以上守り継がれる祭事が行われる。

 「上(のぼ)りまし」と呼ばれる初日は、王族の長男・福智王(ふくちおう)を祭る比木神社の一行が、早朝に同神社を出発。父・禎嘉王(ていかおう)が漂着したといわれる日向市平岩の金ケ浜で神事を行い、身を清めた。

 最初の祭事「海中みそぎ」では、同神社の氏子や神楽の舞い手の男衆5人が白ふんどし姿で海へ。ご神体に水がかからないよう頭上に掲げ、打ち寄せる波に耐えながら祈願した。

 20年近く比木神社の伶人(れいじん)を務める長友暢輝さん(39)は「今年は少し波が高かったが、無事みそぎを終えられて良かった。今から南郷に向かうが、実家に帰るような気持ち。感謝しながら3日間過ごしたい」と話した。

 一行はその後、次男・華智王(かちおう)が祭られている日向市東郷町の伊佐賀神社で神門神社の一行と合流。王族父子が1年ぶりに対面した。

 19日午後6時ごろからは、神門神社近くの一本鳥居で迎え火が行われる。約30基の杉やぐらが燃えさかる中、一行が神門神社へ向かう。

 祭りは、異国の地で離れ離れに祭られている王族の御霊を慰める祭事。その昔、滅亡した百済から日本に逃れた王族が、しけで金ケ浜などに漂着。それぞれが奥地に入り、のちに神として祭られた。

 祭りでは、比木神社に祭られている福智王が、禎嘉王を祭る神門神社を訪ねて約90キロを巡行し、年に1度の再会を果たす。

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