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県北3カ所に設置

本紙掲載日:2024-02-20
7面
本棚「ひなたライブラリー」と門川高校の生徒ら(15日、かどがわ温泉心の杜)

門川高製作のひなたライブラリー

 県立門川高校(村社貞利校長)は15日、本にもっと親しみを持ってほしいと、生徒が中心となって製作した本棚を門川町、高千穂町、日之影町の県北3カ所に贈呈した。取り組みは、県が進める「読書の楽しさを広げる『読書県みやざき』総合推進事業」の一環。公立学校に製作を依頼した本棚を「ひなたライブラリー」と名付けて県内の各施設に設置し、読書活動の活性化を目指している。

 門川高生7人が協力して製作した本棚は計5台。昨年9月にスギ木材と棚の設計図を受け取って作業を始め、今年1月に完成させた。うち3台を門川町のかどがわ温泉心の杜と高千穂町の天岩戸の湯、日之影町の日之影町保健センターに設置。残り2台の設置場所については検討中という。

 このうち、門川町庵川の心の杜では贈呈式があり、山室浩二門川町長や、本棚を製作した同校栽培ビジネス系列環境専攻班の江並悠都さん、兒玉涼翔さん、小野憂騎さん(いずれも2年)らが出席。

 同校の別府英樹教頭は、門川高が県内で唯一、林業を授業で学べる高校であると紹介した上で「木材の乾燥、やすり掛けなど一から一生懸命取り組んでくれた生徒を誇らしく思います」と話し、本棚の出来を称賛。続いて、山室町長が同校への感謝を述べて「多くの方に利用していただきたい」とあいさつした。

 江並さんは「木材を斜めに切らなければならない部分があり、木の繊維に逆らう形になるので難しかったです」。
兒玉さんは「実際に本がいっぱい入ったのを見て、実感が湧いてきました」と満足顔。

 小野さんは「塗装にむらが出ないよう気を付けました。自分たちで作ったものを施設に置いてもらうことは初めての経験なのでうれしいです」と笑顔だった。

 高千穂町岩戸の温浴施設「天岩戸の湯」にも本棚が届き、施設を管理する町企画観光課の枝川佳平主任主事(33)は「お湯に漬かった後、本を読みながら一層くつろいでいただける環境が整った。今年4月に控えるオープン30周年にも花を添えてもらった思い」と喜んでいる。

 本棚は2列7段(増段可能)のスギ製で、高さ180センチ×幅89センチ×奥行き15〜28センチ。19日に施設を利用し、本棚の置かれた休憩室で読書を楽しんでいた田上菊夫さん(79)民子さん(76)夫妻=同町下野=は「先日来た時に本棚が設置されていて驚いた。週3日ほど通っていて毎回本を持参していたので、手間が省けてありがたい」とほほ笑んでいた。

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