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延岡高校同窓会戦没者鎮魂祭

本紙掲載日:2021-04-27
6面
248人の冥福を祈った延岡高校同窓会の第21回戦没者鎮魂祭
献詠した塩月眞さん

藤の季節に平和の誓い−先輩248人に呈茶、献詠

 延岡高校同窓会(池上武博会長)の「第21回戦没者鎮魂祭」が25日、同窓会館「延陵会館」=延岡市古城町=にある鎮魂碑前であった。役員ら約20人が参列。戦争で犠牲になった先輩たちに祈りをささげ、平和への誓いを新たにした。

 鎮魂祭は、前身校の一つの延岡高等女学校(延女)を経営していた内藤家の家紋「下がり藤」にちなみこの時期に開いていた「藤の茶会」に合わせて毎年実施。2015年を最後に茶会が閉会した後も鎮魂祭のみを行っている。

 昨年に続き、新型コロナウイルス感染症対策として規模を縮小。参列者は、太平洋戦争で亡くなった旧制延岡中学校の卒業生225人、延女の卒業生16人、教職員7人、計248人の冥福を祈るとともに、新型コロナウイルスの早期終息を願って黙とうした。

 池上会長=延岡高19回生=は「先輩たちから力強く生きているのかと叱咤(しった)激励を受けているかのよう。改めて考える機会にできれば」とあいさつ。酒やお茶、花束を供え、延女同窓会「藤蔭会」の寺原八千代会長=延女37回生=が、248人の名簿を奉呈した。

 また、塩月眞さん=旧制延中45回生=が、特攻隊振武隊長だった甲斐玉樹さん(同36回生)、首都防空戦闘隊長だった丁博さん(同)の辞世の歌を献詠。参列者は菊の花をささげ、手を合わせた。

 「来年こそは従来の人数で、そして生徒諸君にも歴史を知ってもらえるような機会にできれば」と池上会長。参列した同校の川越勇二校長は「生徒たちは(自分たち以上に)戦争のことを知らない。折に触れて27日の話をしたい」とあいさつした。

【辞世の歌】

錦着て帰るこの身は散る桜今日見る父母の心嬉しき・旧制延岡中36回生(1939年卒)・甲斐玉樹。

雲染めて何処(いづく)の空に果てむとも君守りたく天翔けるらし・旧制延中36回生(1939年卒)・丁博。

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