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空き家問題解決へ

本紙掲載日:2024-12-26
3面
空き家で開かれた「残置物整理体験」。メモを取りながら説明を聞く生徒たち=11日、高千穂町上野
分別したごみをトラックに積み込む生徒

高校生が残置物整理を体験−高千穂

 高千穂町で移住支援に取り組むNPO法人「一滴の会」(市野辰廣理事長)は11日、同町上野の空き家で県立高千穂高校(長友美紀校長、267人)の生徒を対象とする「残置物整理体験」を開き、地域課題である人口減少問題や空き家問題解決への糸口を示した。

 一滴の会は2007年、町外からの移住希望者を支援する任意団体として設立した。同町から事業受託し、移住相談業務や移住体験住宅の運営、空き家バンクといった取り組みを担当。15年以降の移住支援数は83世帯で、定着率は81%となっている(今月末見込み)。

 残置物整理は、空き家と移住希望者とのマッチングを円滑にするための取り組みで、通常は有償。この日は、探究学習の過程で空き家問題に興味を持った2年生の一原怜碧さんと廣木愛梨さんの申し出を受け、無償ボランティアとして行った。

 体験用に手配された物件は、県外に所有者がおり、十数年空き家状態となっている築100年以上の木造2階建て(建物面積67坪)。一原さんと廣木さんは一滴の会の会員らと協力し、整理着手までの工程や実際にあった事例といった説明を聞きながらごみの分別・積み込みに汗を流した。

 2人は来年2月25日、「空き家を有効活用するには」をテーマに校内発表へ臨むといい、「想像以上に大変だった。自分たちの家もいつかは誰も住まなくなる時が来ると思うので、その後の活用も考えて日頃から身辺整理を意識し、きれいな状態を保っておくことが大切だと感じた」と感想。

 一滴の会の甲斐大奨さん(39)は「地域課題に危機意識を持ち、自発的に動ける人は少ない。立派な考えを持っていると思うし、体験したことを同世代に伝えることで関心の輪を広げてもらえれば」と期待していた。

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