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春の褒章、県北から3人

本紙掲載日:2021-04-28
2面
佐藤好文さん
原聡一郎さん
渡部光也さん

統計調査、消防功績で栄誉

 2021年春の褒章受章者が28日、政府から発表され、県内から10人(県外在住の出身者2人含む)が選ばれた。発令は29日付。県北からは統計調査功績で元農林業センサス調査員の佐藤好文さん(69)=高千穂町上野=、消防功績でともに延岡市消防団副団長の原聡一郎さん(54)=同市土々呂町=と渡部光也さん(57)=同市北浦町三川内=が、公共事務などに尽くした人に贈られる藍綬褒章を受けた。3人の功績や喜びの声を紹介する。


◆藍綬褒章=統計調査功績=佐藤好文さん(69)高千穂町上野=
農林業の実態把握に貢献

 農林業の実態や農山村地域の現状を把握するため、国が5年ごとに実施している基幹統計調査「農林業センサス」。その調査員を約40年にわたって務めた。

 調査員になったのは20代のころ。当時の公民館長に依頼されたのがきっかけだった。自身も畜産、稲作、シイタケ栽培をしながら、対象者の都合を最優先に訪問。相手から調査に関する質問があれば、時間をかけて丁寧に説明した。調査で知り得た情報は口外しないなど、強い責任感で誠実に取り組んできた。

 調査票を預かった後は、記入漏れや間違いがないかどうかなど書類とにらめっこの日々。時には日をまたぐこともあったという。

 今回の受章に「当たり前のことを当たり前にしただけ。恐縮です。皆さんの協力があったから長く続けられた。皆さんに感謝です」と恥ずかしそうに喜びを語った。

◆藍綬褒章=消防功績=原聡一郎さん(54)延岡市土々呂町=
団員育成、環境整備に尽力

 1993年に延岡市の地元消防団へ入団以来、確固たる信念と奉仕の精神に基づき消防職務に精励。28年間の長きにわたり率先して活動に当たり、常に団員の先頭に立って指揮掌握し、団員育成や分団の円滑化の環境整備に尽力している。

 2013年に土々呂分団の副分団長、翌14年からは分団長を歴任し、19年から現在の市消防団副団長に就任。「まずは、火災現場などで団員を落ち着かせ、二次災害が起きないように」と、安全確保の的確な指示を心掛けているという。

 02年の旭化成レオナ工場火災では徹夜で対応したり、漁船で大しけの海に出て遭難者を捜索したりと過酷な現場も経験したが、妻のさおりさんをはじめ「家族の支えが一番大きく、いい仲間にも恵まれて続けてこられた」と振り返る。受章を「非常に光栄で、これまで以上に精進していきたい」と励みにした。



◆藍綬褒章=消防功績=渡部光也さん(57)延岡市北浦町三川内=
職務精励、後進指導に努力

 北浦町消防団に入団以来、31年にわたり率先して任務に精励し、第11部の中心団員として火災や風水害などの現場で活躍。うち、部長を担った計6年間は操法要員の傍ら後進指導にも努めた実績が高く評価された。

 2012年からは第3分団の副分団長、16年から分団長として団員育成や運営に貢献。今年4月に延岡市消防団の副団長に就任し、北浦町を中心とした市全域の団運営に従事している。

 山火事が起きれば海からくみ上げ放水するため、懐中電灯の光を頼りにホースを抱えて未明の山中を駆け上がるなど苦労。火災や捜索の現場では、変わり果てた住民と対面するたび落胆してきた。

 そうした経験を糧に、「火災や災害の予防を重視しなければ」と実感。新型コロナの影響で十分な活動ができない中、「団員の安全確保に向けた基本の規律を徹底したい」と力を込めた。



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