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論理コミュニケーション

本紙掲載日:2021-05-11
6面
オンラインで実施された同時双方向遠隔授業「論理コミュニケーション教育」(4月30日、延岡中学校)

自分の考えを、分かりやすく伝える力

◆延岡中モデルに授業開始−オンラインでやり取り

 市立延岡中学校(土井智喜校長、296人)で4月30日、自分の考えを論理的に構築し、相手に分かりやすく伝える力を高める「論理コミュニケーション教育」のオンライン授業が始まった。同校の教室と福岡県宗像市にある講師の自宅をインターネットでつなぎ、次世代を担う人材に必要とされる論理コミュニケーションについて理解を深めた。

 延岡市、同市教育委員会、慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)研究所が今年3月に締結した「地域創生における研究開発に関する連携協力協定」に基づく事業の一つ。初年度の重点事業としており、同中3年生をモデル校として実施する。

 初日の授業には、1組の生徒33人が参加。同研究所の上席所員で元高校教諭の井上孝志さんが講師を務め、映像や音声をリアルタイムで配信する同時双方向型の遠隔授業で行われた。

 井上さんは「多くの人に説得力のある話をしたり、議論の場で自分の意見を伝えるために、論理コミュニケーションが必要。意見に根拠と事例を加えることで、解釈の違いが生じにくくなる」と話し、論理コミュニケーションの基となる「文章の設計図」などについて解説した。

 授業は、画像の乱れや音声トラブルもなく、モニターに映る井上さんと生徒のやり取りもスムーズで、対面授業と変わらない雰囲気で進んだ。

 授業に先立ちあいさつに立った読谷山洋司延岡市長は「論理コミュニケーションは、これからの時代を生き抜くために必要な力。積極的に挑戦してほしい」と激励。礒野誠也さん(14)は「論理コミュニケーションをしっかり勉強して、さまざまな教科にも生かしたい」と意気込みを語った。

 3年生の他の2クラスでも同様の授業が行われる。2回の論述力検定を含む計10時間の授業が7月まで行われ、オンラインの同時双方向遠隔授業で論理コミュニケーション力の向上を目指す。全国では、50を超える中学・高校で延べ1万1千人以上が取り組んでいるという。

 延岡市は来年度以降、同時双方向遠隔授業を順次、市内の中学校に拡大する方針。市が設立を目指す「(仮称)延岡こども未来創造機構」のスタートアップ事業の一環として、市教育委員会、同研究所と連携して取り組む。

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