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元鋳造師の技光る

本紙掲載日:2021-08-24
7面
金を溶かしつけた茶わんを持つ黒木さん
黒木さんが作った茶わん、花瓶、酒器

黒木英勝さん陶芸展「実業芸の如し」−虎彦サロン

 延岡市大武町の黒木英勝さん(78)の陶芸展「実業芸の如(ごと)し」が、同市幸町の虎彦サロン(風の菓子虎彦内)で開かれている。観覧無料。9月3日まで。開場時間は午前8時〜午後7時(最終日は午後5時まで)。

 黒木さんは、全国各地の仏像やモニュメント制作などで知られる昭和装飾金物(現・装研)の元社長。20歳で鋳物製造の世界に飛び込み、以来東京ディズニーランドや長崎ハウステンボスの装飾、延岡市内では、各所の街路灯や愛宕山の錠掛けモニュメントなどを手掛けた。

 鋳物と陶芸には製造過程で通じる部分も多く、退職を機に本格的な陶芸修業をスタート。同展には、長年鋳物製造で培った技術と、15年にわたり磨いた陶芸の技術を融合して焼き上げた茶器やとっくりの他、金銀を溶かしつけたきらびやかな茶わんなど、元鋳造師ならではの作品約100点が並ぶ。

 また、約50年前に日向新しき村(木城町)へ焼き印を納品した際、その出来栄えを気に入った武者小路実篤氏から手渡された直筆の色紙「実業芸の如し」と「この道より我を生かす道なし。この道を歩く」の2枚も併せて展示されている。

 黒木さんは「他の人ができないことに挑戦していきたい。命がある限り続けますよ」と笑顔で話していた。

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