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競技に、応援に全力−延岡商高体育大会

本紙掲載日:2021-09-10
7面
応援も競技も全力で臨んだ延岡商業高校の生徒たち
終始笑顔を絶やさないダンスで応援合戦の部を制した紫団

 県立延岡商業高校(大迫良三校長、433人)の体育大会が7日、延岡市桜ケ丘の同校グラウンドであった。競技や応援に全力で励み、仲間と共に思い出の一ページを刻んだ。

 大会は当初、保護者も観覧できる日曜日に開催する予定だったが、新型コロナウイルス感染症対策として平日に変更。生徒、教職員、来賓のPTA役員2人のみが参加し、競技数も午前中で終わるように徒走などを減らした。

 赤、白、青、黄、紫の5団に分かれた生徒たちは、学年ごとの団技や選抜リレー、団ごとに練習を重ねたオリジナルのダンスを披露する応援合戦などに臨んだ。

 このうち、3年女子の団技「台風の目」では、3人一組で竹の棒を持って複数のコーンを回り、速さを競った。勝敗は最後までもつれ、ビデオ判定をするほど。下級生や男子生徒は応援で場を盛り上げた。

 閉会式で大迫校長は、「本気を感じ、魅了された一日だった。感動をありがとう」とあいさつ。競技の部は最後の対団リレーなどを制した白団、応援合戦の部、応援の部は紫団が制した。

 白団の佐藤憂咲団長(流通経済科3年)は「最高だった。どの学年も悔いの残らない応援と競技ができ、かっこよかった。(日程などの変更があったが)やれることが幸せでありがたかった」と話した。

◆「りおんちゃん、取ったぞー」−天国の同級生に届けと応援

 応援合戦の部と応援の部の2冠を達成した紫団の長瀬姫怜々団長、甲斐望愛副団長、富山華奈副団長(いずれも商業科3年)は、「うれしい」と涙が止まらなかった。

 先月末、病気療養中だったクラスメート、田中りおんさんが亡くなった。通夜などにも参列した仲間たちは、天国にいるりおんさんにも届くような応援がしたいと練習に励んだ。

 「競技では他の団に劣っていたが、仲の良さ、元気の良さ、楽しんでいる気持ちでは負けないと思った」と3人。練習の段階から、心の底から楽しむよう、団員に呼び掛けた。

 本番前、教室から全員が出ると、教室に残していた一つの手作り応援道具からビーズの音が聞こえた。「りおんちゃんも来ている」と、心を一つにした。応援合戦では長瀬団長を中心に、最初から最後まで笑顔を絶やすことはなかった。「りおんちゃんの分まで楽しもう」と思いを込めて。

 「りおんちゃん、取ったぞー」の掛け声で記念写真に納まった同級生。長瀬団長は、「届いたと思う」と胸を張った。

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