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生活の中にある美(25)−県北の土木構造物

本紙掲載日:2021-09-14
7面

◆九州一小さなアーチダム−宮の元ダム(諸塚村七ツ山)

 宮の元ダムは、諸塚村七ツ山の耳川の支流・七ツ山川に建設されているアーチ式コンクリートダム。堤頂長87・4メートル、堤高18・5メートル。日本ダム協会によると、アーチ式コンクリートの中では九州で1番、日本で2番目に小さいダムという。

 九州電力が管理。昭和33(1958)年に着工し、36年に完成した。貯水は諸塚ダムに注がれている。


◆鋼製スリット式−砂防えん堤(日之影町七折)

 日之影町七折の五ケ瀬川の支流・綱ノ瀬川には、鋼製スリット式の砂防えん堤が2基設置されている。砂防ダムとも呼ばれる。土石流の発生時、大量の土砂や流木などを受け止め、下流の被害を防ぐ役割がある。

 2007年8月の台風5号により、河川が2キロ以上にわたって氾濫。約40メートルの川幅が、約3倍に広がった。上流では山腹が崩壊し、土石流が発生。早めの避難で人的被害は免れたが、鹿川地区の水田と住家1棟が流失した。

 積み重なった土砂の流出とこれ以上の岸の浸食を防ぐため、県が同年度から整備に着手、12年3月に完成した。

 また、下流域には直径5メートルを超える巨岩や大量の土砂が残っているため、県は、13年度から川底の勾配を緩やかにして流出を抑える「床固工(とこがためこう)」を施工。16年度までに4基が設置されている。

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