松田庄司さんモデルの紙芝居

市内２７小学校に寄贈

◆読み継いでほしい「のべおかのはなさかじいさん」

　延岡市立岡富中学校（粟田茂樹校長、３０７人）は、同校近くのコノハナロード（野地町の五ケ瀬川右岸堤防）を整備する「ＮＰＯ法人コノハナロード延岡市民応援隊」の理事長、松田庄司さんを主人公にした紙芝居「のべおかのはなさかじいさん」を完成させた。今後、市内の公立小学校２７校に寄贈する。

　紙芝居は、現在の２年生が１年次に、地域や環境に関する学習の中で学んだことを幼い子どもたちに伝えるために作り、３月に幼稚園や小学校への出前授業で使ったもの。

　松田さんらが、コノハナロードに河津桜の最初の１本を植えたところから、春には菜の花と桜が咲きそろうようになった現在までを描いた。以前はごみが多く落ちていたが、花々で彩られた現在はごみを捨てる人がいないこと、多くの人が協力して現在の美しい姿があることなどを伝える内容。

　環境問題について考えるきっかけにすること、松田さんの存在を子どもたちに知ってもらうことなどを目的に、同校の佐保博光教諭が台本を書き、生徒が場面分けやイラストを考えた。学級ごとに制作し、絵柄の違う４種類がある。

　出前授業の後、松田さんらと相談し、紙芝居をすべての小学校に配布することを決定。印刷業者に委託し、Ａ２サイズで丈夫な段ボール紙製の紙芝居が完成した。費用は、同応援隊、河津桜の咲く堤防づくりを発起した天下一ひむか桜の会、松田さんに寄り添うようにしてこの活動を支援してきた谷平興二さんが代表を務めるワンズクラブが提供した。

　１５日には延岡小学校（釘宮剛校長、４００人）で贈呈式があり、同中２年生の稲葉凉子さん、黒木柑南さん、若井萌奈さんや佐保教諭らが訪問。贈呈に先立ち、１年生の代表児童１５人を前に、紙芝居を読み聞かせた。

　真剣な表情で見入っていた児童は、「絵が上手でした」「花がきれいでした」「春になったら（堤防を）見に行きたいです」と口々に感想。両手で大切そうに紙芝居を受け取った。

　黒木さんは「松田さんがいっぱい頑張って花を咲かせたこと、ごみを捨てたらいけないということを伝えたかった。（小学校でも）読んでもらって、この話をずっと覚えていてもらえるようにしたい」と笑顔。

　贈呈の様子を見守った松田さん、谷平さんは「よくできている」「すごくうれしい」と喜んでいた。