エコパークでフィールドワーク

本紙掲載日：2021-11-08

7面

成迫さんの案内で家田湿原の希少生物を観察する延岡高校普通科の１年生ら

ヤナギタデの葉をかじって辛味に驚く生徒ら

延岡高校ＳＳＨ－ＳＤＧｓへの関心高める

　延岡高校（川越勇二校長）普通科の１年生１６０人は１０月１５日、祖母・傾・大崩ユネスコエコパークとその周辺のフィールドワークに取り組み、ＳＤＧｓ（持続可能な開発目標）への関心と研究に対する意欲を高めた。

◆希少植物の保護活動も学習

　同校が昨年度に文部科学省から指定を受けたスーパーサイエンスハイスクール（ＳＳＨ）事業の一環。生徒は班ごとに、①北川町の家田湿原と川坂湿原を巡る「北川湿原コース」②北方町の比叡山―高千穂峡にかけての「地質コース」③海の生き物を観察する「海洋生物コース」―の３コースを体験した。

　このうち家田湿原では、県環境保全アドバイザーの成迫平五郎さんや家田の自然を守る会会長の岩佐美基さんによる案内で遊歩道を散策。サイコクヒメコウホネやミズトラノオ、チョウジソウ、ゴキヅルなどの希少植物を間近に観察した。

　途中では成迫さんに促されてヤナギタデの葉をかじり、「辛い」「舌がピリピリする」と驚き、湿原の土壌は鉄バクテリアが豊富なため化合物で赤茶色になっていることなどを確認。地域の人たちが特定外来生物のオオフサモを駆除しながら自生種を守っていることも学んだ。

　地質コースは県総合博物館の職員が講師となって、実際に比叡山や高千穂峡に足を運び、太古の火山活動によって形成された柱状節理などを観察して成り立ちを学習。海洋生物コースは宮崎大学農学部付属フィールドセンター延岡フィールドから教授らを招き、海辺で採集した生き物を観察しながら、進化の過程などについて理解を深めた。

　地質以外の生徒は午前と午後で異なるコースに参加。北川湿原コースに参加した日髙孔晴（こはる）さんは、「自然が豊かな地域であることが改めて理解できた。絶滅危惧種などを外来種から守るためのボランティア活動にも参加したい」と話した。

　生徒たちは参加前に事前学習で予備知識を付け、今後はフィールドワークで学んだ内容をまとめての学習発表も計画しているという。