「声を掛け合い、体張って」土壇場も１５人一丸－延岡

本紙掲載日：2021-11-08

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【準決勝・延岡―延岡星雲】前半、先制のトライを挙げる延岡・髙浦

第１０１回全国高校ラグビー宮崎地区大会

　延岡が２５年ぶりの決勝の舞台へ。土壇場で追い付かれたが、１５人が声を掛け合って意思を統一。直後のキックオフで相手の隙を逃さず、全員で敵陣深くへ。ラインアウトからの連続攻撃で、最後はＳＯ杉谷日呂がインゴールで雄叫びを上げた。

　「力は互角。シンプルに、敵陣に入り、前に出て継続を」と言う森田康平監督のゲームプランを実現したのはＦＷ陣だった。ＨＯ甲斐隆之介は「自分たちの強みを出せた」。防御で突き刺さり、セットプレーでも終始優位。ボールを奪って前へ出た。

　杉谷やＦＢ髙浦洋輝のキックが有効で、しぶとい相手ディフェンスの裏を取る。後半は、伝統校の意地に押し込まれたが、「流れを持っていかれても、話し合って、諦めずに声を掛け合い、体を張り続けられた」（主将の髙浦）。３年生を中心に勝ちたい気持ちで上回った。

　前任の日向を２度花園に導いた森田監督が赴任し６年。「最初は単独チームで１０人制を目指し、１５人制になって。３年生に冬まで残るように説得して」。練習時間が限られる進学校という前提条件の中で、一つずつ積み重ね、３年生１１人全員が残った今年、新たな扉を開いた。

　０―８６で敗れた県総体に続く王者高鍋との決勝へ。甲斐は「あの場所に立てることは当たり前じゃない。周囲やほかのチームの分まで、諦めずに攻め込む」。髙浦は「やるしかない。自分たちのタックルを見せつけ、全力で食らい付く」。自信をつけた挑戦者は、何をしでかすか分からない。

◆執念で上回った－杉谷（終了間際に決勝トライ）

　「後半はペースが落ちたが粘ることができた。最後は橋口（涼祐＝ＣＴＢ）の声でスペースにキックし、好機をつくり、西埜（壮＝ＳＨ）がパスをくれたので、行くしかないと思った。執念で上回った。（決勝は）やりたいことを出し切るだけ」