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児童がナイロン生成に挑戦

本紙掲載日:2022-01-17
7面

化学に興味持つ授業プログラム

◆旭化成が開発−島野浦小で初実施

 旭化成延岡支社地域活性化推進グループは、ソフトバンク、延岡市教委と連携し、小学生向けに化学に関する全6回の授業プログラムを開発した。理科離れが進む中、化学に興味を持ち、探究心を育み、プログラミングについても学べる内容。12日に延岡市立島野浦小学校(平田政行校長、18人)で初めての授業があった。同グループの元永辰也グループ長は、「旭化成が延岡にあるからこそ、子どもたちが化学に自然と興味を持つような状況が実現できれば」と期待する。

 旭化成は昨年6月、ソフトバンクグループが人型ロボットをプログラミング教育の教材として有料で貸し出す社会貢献プログラムを活用し、市内の企業と協力して「Pepper」(ペッパー)7台を市に提供。「授業で使えるコンテンツも提供したい」としていた。

 ペッパーに装備する教育プログラムとしてソフトバンクロボティクスと共同制作し、同10月に発表した「地球温暖化問題編」は全国各地で活用され、人気という。

 同時並行で進めてきたのが、延岡市の児童のための授業プログラム。「化学が身近で有益なものだと気付くきっかけになれば」と、旭化成の各工場で造られている製品に関係する化学をテーマに検討。離島という地理的環境からペッパーが常設されている同校を最初の実施校に選び、同校の教諭や市教委の担当者と話し合いを重ねていた。

 授業は5、6年生6人が対象。今回は特別に旭化成レオナ繊維の平敬史さんが訪れ、世界初の化学繊維「ナイロン」を作る実験も行った。平さんは「いろんなところに化学が使われ生活を便利にしているが、危険な一面もある」と、正しい扱いや整理整頓の大切さなどを強調した。

 児童はゴーグルと手袋を着用し、早速実験。二つの溶液を慎重に合わせると白い膜ができ、割り箸にくるくると巻き付けていくことで、ナイロンが次々と生成される過程を体験した。

 その後、担任の土井始教諭が、開発されたプログラムに沿って授業を行った。化学が衣食住の身近なものに活用されていることを確認させ、旭化成の製品や技術に関する11種類のテーマを「調査課題」として提示、児童に興味があるものを選ばせた。児童は次回の「化学者インタビュー」で、元永グループ長に質問し、調査する。

  杉岡美空さん(6年)は「実験が楽しかったし、実験に関する大事なことが学べて良かった。(調査課題は)『土にかえる布』が不思議だと思ったのでテーマに選んだ。細かく調べていきたい」と話した。

◇市内の全小学校へ

 授業後は、プログラム制作に関わった関係者で協議。市内すべての小学校での活用を目指しており、対象とする児童に合わせて内容がアレンジできる必要性があるといった課題が出された。元永グループ長は「ブラッシュアップし、さらにいいものになれば」と話した。

 次回のインタビューの後には、調査結果をまとめたものを児童がペッパーにプログラミングして、ペッパーに発表させる予定。

 開発された授業プログラムに先立ち、ナイロン生成の実験をする児童たち


◆2月19日に合同閉校式−島野浦小、島野浦中−出席者を募集中

 今年度末で閉校する延岡市立島野浦小学校(平田政行校長、18人)と島野浦中学校(渡会洋一校長、7人)の合同閉校式が、2月19日午前10時から島野浦小学校体育館で開かれる。卒業生や元職員、地域住民を対象に今月21日まで出席者を募集している。

 両校は3月末で閉校、統合し、4月に現在の同中学校の敷地内に同市立義務教育学校「島野浦学園」として生まれ変わる。

 式では、郷土芸能のアトラクションに続き、来賓あいさつ、校旗返納、児童生徒によるお礼の言葉、校歌斉唱などを予定。式の後に記念碑を除幕する。感染症予防のため、会食などは行わない。

 新型コロナウイルスの感染状況によっては規模縮小の可能性もあり、人数把握のため事前の申し込みを呼び掛けている。

 また、両校の写真や沿革、4月に予定されている島野浦学園の開校式の様子までを収める記念誌も作成中。島内の全世帯に1部ずつ配布する。島外在住者には、1部1080円、商品着払いで完全予約販売する。

 記念式典への出席、記念誌の購入希望者は島野浦小学校(電話延岡43・0702)まで。

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