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ジャンル超えたエンタメを未来へ

本紙掲載日:2022-02-10
7面

DOC−13日に「ArtisticFriends」

◆スクール開設20周年記念

 延岡市緑ケ丘のエンターテインメントダンススクール「PerformingArts(パフォーミングアーツ)DOC」(荒武治実代表)と、複数のアーティストによるコラボレーションステージ「ArtisticFriends〜Daydream〜」が13日午後4時から、同市東浜砂町の延岡総合文化センター大ホールである。県民芸術祭事業の一つ。日本舞踊、大衆演劇、バレエなど異なるジャンルとの共演で、「ジャンルの枠を超えた形を未来につなげたい」と意気込む。

 同スクールはニューヨークでダンスを学び、宮崎市にあったシーガイアオーシャンドーム専属のショーダンサーなどを務めた荒武さん(54)=延岡市出身=が2001年4月、宮崎市に設立。同年8月に延岡市であった市民ミュージカル「ウズメ2001」で振り付け助手をしたことをきっかけに延岡総合文化センター地下の練習室で延岡スクールを開講。10周年を機に現在地にスタジオを構えて以降、同所で指導する。現在は4歳から70代まで約40人が、さまざまなスタイルのダンスに励んでいる。

 発表会は毎年開いてきたが、新型コロナウイルスの影響で20年9月以来。今回は昨年迎えたスクール開設20周年記念を兼ね、「コロナ禍で落ち込んだエンターテインメント業界を盛り上げたい」と企画した。空気の入れ替え、座席数を半分以下にするなど、感染症対策を徹底して行う。

 荒武さんは昨年7〜10月に本県で初めて開催された「国文祭・芸文祭みやざき2020」の総合開会式で舞台の演出・振り付けを担当した。開会式にはダンサーだけでなく、司会を務めた松田丈志さんをはじめ県北にゆかりある人が多く出演。裏方にも県北出身者が多く「人材はたくさんいるのにコロナ禍で埋もれてしまう。『県北を盛り上げないと』という思いがふとよみがえった」と話す。

 「活動自粛を迫られ苦しい時期を過ごしてきたアーティストたちが手を組むことで一つの未来が築ければ」と、スクールの発表会としては初めて、複数ジャンルとのコラボを企画した。「多くがコロナ禍でできた新しいご縁。そこも面白い」と荒武さん。普段は異なる場で活動するが、知恵を出し合うことで新たな発見もあるという。活動が制限されることは、アーティストにとって死活問題でもあり、一緒にステージをつくり、助け合い、支え合える関係の必要性も感じている。

 感染状況が好転しない中での準備は苦労もあるが、舞台が好きで楽しみにしている人は多く、その声が励みになっているという。「生じゃないと伝わらない、舞台の良さを再認識してもらいたい。私たちは希望を失っていないということを、発信したい」と力を込めた。

◆日本舞踊、大衆演劇、バレエと共演−国文祭・芸文祭でのステージ再現も

 ステージは、国文祭・芸文祭みやざき2020の開会式フェスティバル、閉会式グランドフィナーレで披露したパフォーマンスの再現でもあるが、「出演者が違うので演出も違う」という。「ArtisticFriends」として「劇団とんぼ座」(大衆演劇)、伊達凖治さん(社交ダンス)、石山柚さん(ストリートダンス)、湯川萌可さん(バレエ)が出演する。

 また、延岡市出身の舞踊家・振付家の花柳達真さん(日本舞踊)が当初出演し、スクール生と共演する予定だったが、諸事情で出演できなくなったため、達真さんの東京芸術大学の後輩に当たる藤間直三さんが代役を務める。

 ステージは2幕構成。第1幕は小作品集と、国文祭・芸文祭の再現となる「神話の源流」。第2幕は、日舞とバレエのコラボ、社交ダンス、ジャズ、ストリート、ブレークダンスなど、ジャンルを掛け合わせた舞台。同スクール卒業生でプロダンサーの石山さんが振り付け、後輩たちと共演する演目や延岡の街をテーマパークに例えた「延岡ワンダーランド」、とんぼ座による小劇もある。最後は、各種の祭りが開催できない状態が長く続いていることから「延岡の祭りが復活してほしい」と願いを込めて、ラップ調のヨサコイパフォーマンスを披露する。

 チケットは残りわずか。全席自由で中学生以上2500円、小学生以下1500円。座席の必要がない幼児は無料。開場は30分前。チケットはDOC(電話延岡31・0692)、または延岡総合文化センター(電話延岡22・1855)まで。

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