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河内彩奈咲さん写真展「私が見た諸塚」

本紙掲載日:2022-03-16
7面

緑のふるさと協力隊としての1年間

◆暮らしの豊かさ感じて、来月10日まで−しいたけの館21

 緑のふるさと協力隊として諸塚村で1年間活動してきた河内彩奈咲(さなえ)さん(21)=茨城県出身=の写真展「私が見た諸塚」が、同村のエコミュージアム「しいたけの館21」で始まった。来月10日まで。入場無料。「言葉ではうまく伝えられない、私が感じた諸塚の暮らしの豊かさを、写真を通して諸塚の皆さんと共有できたら」と話している。

 同協力隊は、過疎化や少子化に悩みながらも地域を元気にしたいという地方自治体と、農山村での暮らしに関心を持つ若者をつなげる1年間のボランティアプログラム。NPO法人・地球緑化センター(東京都)が1994年から実施している。

 将来、教育現場に携わりたいと考えている河内さんは「今のうちにできるだけいろいろな経験を積んでおきたい」と、茨城大学人文社会科学部を休学し、昨年4月に着任した。北は岩手県から南は沖縄県まで全国12カ所ある受け入れ自治体の中から「全く知らない山の暮らしと、一度も行ったことのない九州の地に引かれて」同村を選んだ。

 コロナ禍で、地元から遠く離れることに不安もあったが、両親は「やりたいことをやりなさい」と送り出してくれたという。

◇何より不安だったマニュアル車の運転

 河内さん自身、何より不安だったこと。それはマニュアル車(軽トラック)の運転だった。全国12カ所ある受け入れ自治体のうち唯一、マニュアル車の運転を条件としていたのが同村だった。

 「いずれ運転することがあるかもしれない」と、マニュアル車の運転免許は取得していたが、それまで日常生活で運転することはなかったため「本当に運転できるだろうか。とにかくそれだけが不安で。おかげで他の不安はすっかり薄れてしまいました」と笑う。

 村民1400人余りの小さな村。初めは、たとえ直接は知らなくても、その人が誰の子どもか、どこで働いているのか、みんな互いに知っている関係性に驚いたという。「1人と知り合えば一気に10人くらいとつながる。そういう地域だろうなと想像はしていたけども、本当にそうでした」

 村営住宅に1人暮らししながら農林業を手伝ったり、小学校で特技の水泳を児童たちに教えたり、地域の祭りや行事にも積極的に参加した。

◇盆も正月も村の人と

 コロナ禍で盆も正月も帰省はかなわなかったが、代わりに盆は収穫の最盛期を迎えたトマト農家を手伝いながら一緒に過ごした。正月はオードブル作りに大忙しの飲食店を手伝いながら一緒に年を越した。「本当に家族のように迎えてくれた」と感謝する。

◇山で迷って…最大のピンチ

 最大のピンチは昨年、炎天下の夏のある日。トマト農家の収穫を手伝うため軽トラックで山道を上っていたところ、迷ってしまった。たまたま携帯電話の電波が入る場所に出たため、すぐに役場に連絡したところ▽水は持っているか▽弁当は持っているか▽携帯電話の充電は何%残っているかなど聞かれ「だったら(そのままの状態でも)1日は大丈夫だね」と言われて覚悟したという。

 幸いにも役場が飛ばしたドローンが、すぐに河内さんの居場所を発見し、役場職員が迎えに来てくれたという。「今となっては面白エピソードです」と苦笑いする。

 「とにかく何でも経験しよう、何があってもここで1年間過ごそうと心に決めて飛び込んだ」と河内さん。「諸塚を離れるのはとても寂しいですが、たくさんの経験の中で、いろいろな人の生き方や考え方を知ることができた。人を知ることの大切さを感じることができた」と振り返る。

◇これからも諸塚を好きでいて

 活動を終えるのに合わせ、同村への感謝を込めて今回の写真展を企画した。会場には、この1年間に出会った同村の人々の姿や美しい景色を切り取った44点が並ぶ。

 「さなえちゃん」(2021年8月)は着任してから4カ月、ある農家のカレンダーに書かれた「ボランティア」の文字が「さなえちゃん」に変わっているのに気付き撮ったもの。「目に見えて受け入れてもらったことを感じた」瞬間だった。

 「生コン舗装」(同11月)は、毎年自治公民館ごとに行われている作業の一つを撮ったもの。「自分たちで道をつくっていくかっこよさと、みんなで取り組むことのすてきさ」を感じたという。

 「瓦取り」(2022年1月)は、リフォームする家の瓦取りを、同じ地区に住む人たちが手伝っている様子を撮ったもの。「大工さんはいるけど仕切っているのは地区の人で、みんな休日返上で手伝っていた。差し入れも届いていて、山の中でずっと支え合ってきている人たちだからできること」と感じたという。

 河内さんは今月9日に同村を離れた。「諸塚ってこんなに良い所なんだよ、こんなにすてきなんだよって、外から見た私だから感じたことを村のみんなに伝えたかった。ここで暮らしているみんなに、これからも諸塚を好きでいてもらいたい」と言葉を残している。

 エコミュージアム「しいたけの館21」の開館時間は午前10時〜午後5時。水曜日は休館(祝日の場合は木曜日)。問い合わせは同館(電話0982・65・0178)へ。

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