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鉱山跡に桜を植樹−高千穂

本紙掲載日:2022-03-30
7面
土呂久地区に桜を植樹する上野中学校生

上野中3年生−土呂久の活性化に

 高千穂町立上野中学校(岡田能直校長)の1〜3年生25人は24日、同町岩戸土呂久地区の鉱山跡地に桜を植樹した。卒業した3年生は今年度、環境学習として、かつてヒ素鉱害が起きた同地区について学習。今回、生徒が地区のためにできることを考え、4本のソメイヨシノを植えた。

 3年生は昨年7月に土呂久地区を訪問し、地域住民の話を聞き、鉱山の坑道「大切坑」跡を見学して鉱害の歴史を学習。現地学習後も社会科の授業で同地区の持続可能な地域づくりなどについて考えてきた。

 3年生は当初、地区の緑を増やそうと検討したが、かつて土呂久鉱山で働いていた盛実弘行さんと妻ケサ子さん(故人)が1987年から鉱山跡地に桜やツツジなど約100本を植え、世話をしてきたことを知り、桜を植えることにしたという。

 生徒らは鉱山跡の社宅や共同浴場があった場所に到着すると4グループに分かれて、地域住民の助けも借りながら大きな石が多く交ざった硬い土を30センチほど掘り、桜を植えた。植えた後には、倒れないように添え木を付けた。

 同地区の農業、佐藤和明さん(51)は「生徒たちが植樹してくれて非常にありがたい。私たちにも励みになる」と笑顔。土呂久公民館の佐藤元生館長(66)は「2、3年で花が咲くと思う。また花を見に土呂久へ来てほしい」と話した。

 3年の甲斐雪音さん(15)は「桜を植えて土呂久の活性化に少しでもつなげられたなら良かった。成人するころに花が咲くと思うので、また見に来たい」と話した。

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