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県北各地は花盛り

本紙掲載日:2022-04-21
7面

◆シャクヤク鮮やか−延岡市古城町鍬田さん方

 「愛情は与えた分だけ返ってきますね」と笑顔で話すのは、延岡市古城町の鍬田(くわた)靖子さん(78)。40年以上世話してきたシャクヤクが、今年は22輪もの花を咲かせた。

 ボタン科の多年草。北朝鮮で警察のような仕事をしていた親戚が太平洋戦争後に持ち帰った原木を譲り受けた。「遠くから来た花だから」と愛着も強く、日之影町に住んでいた頃から、水やりや油かすをまくなど丹精してきた。

 濃いピンクの花びらが鮮やか。例年の花数は2、3輪程度という。雨などの影響がなければ今月末ごろまで楽しめそう。

 鍬田さんは「この花とは人生の苦楽を共にしてきた。こんなにたくさん咲いてくれるなんて『まだまだ元気に頑張りなさい』と応援されている気がしてうれしいですね」と喜んでいた。


◆赤白が同時に満開−延岡市鶴ケ丘竹尾さん方のツツジ

 延岡市鶴ケ丘の竹尾登美子さん(84)方で赤と白のツツジが満開になり、「2色のツツジが同時に咲いたのは初めて」と喜んでいる。

 約40年前に自宅を建てた時に植えたもの。例年は赤が咲いて約2週間後に白が満開になるが、今年は4月初めに同じタイミングで咲き始めた。また、ツツジは道路からよく見えるため通り掛かる人が写真を撮ったり、「きれいね」と観賞したりする人もいるという。

 家よりも庭の作業をする方が好きという竹尾さんは「こんなに見事に咲くとは思わなかった」と驚いた様子だった。

 2色のそばにはピンクのツツジも咲いており、これから見頃を迎える。


◆黄色のツツジ「黄帝」咲く−延岡市野田町江藤さん方

 延岡市野田町の江藤孝美さん(81)、澄子さん(76)夫妻が自宅庭で育てた黄色のツツジ「黄帝」が咲き、近所の人を驚かせている。

 黄帝は、寒さに非常に強く丈夫な品種。澄子さんが「庭のことには目がない」と表現する孝美さんが、園芸カタログで見つけて「珍しい」と購入し、3年前に2株の苗を植えた。孝美さんは、「去年も咲いたが、数が少なかった。やっとこんなに咲いた」とうれしそうに話す。今月上旬から咲き始めると、近所の人たちが次々と訪れ話題になった。

 枯れた花を摘む作業を怠ると、そのまま実がなり、栄養がすべて実に吸い取られてしまうため、咲いた後の作業も欠かさない。

 孝美さんの園芸好きは、55年ほど前に家を建てた際、高千穂町に住んでいた父親が花の苗を持ってきて植えたのが始まり。現在は、ツツジだけでも10種類を超える。

 肥料を与えるだけではなく、声を掛けることで成長し、きれいに花が咲くという。「お礼肥」をする際、「ありがとう」や「来年も咲いてください」と話し掛けながら頭を下げる。

 「どんな植物も、頭を下げたほうが咲く気がする。人間と一緒で正直」と孝美さん。


◆ツクシシャクナゲが見頃−武田さんの「ふれあい庭園しゃくなげの森」高千穂町五ケ所

 高千穂町五ケ所の武田計助さん(87)が管理する私設庭園「ふれあい庭園しゃくなげの森」内のシャクナゲが見頃を迎えている。天気によるが4月いっぱいは楽しめそうという。

 標高約850メートルにあり、広さ1ヘクタールの庭園にはツクシシャクナゲ300株以上が植えられている。樹高3〜4メートル。訪れた人は、武田さんが整備した小道を歩きながら淡い桃色の花を観賞している。

 武田さんは、草花や野草ブームだった45年ほど前に、それまで父親がクヌギや杉を植えていた山を切り開いて、標高の高い土地を好むシャクナゲなどを植えた。以来、ミツバツツジ、ドウダンツツジ、ニワザクラ、モミジなどさまざまな木や草花を少しずつ増やし、育てている。

 武田さんによると、200株以上あるミヤマキリシマは5月中旬以降に見頃を迎えそうだという。「コロナ禍だが、山のおいしい空気を吸って心を癒やしてほしい」と話している。

 自由に観賞できるが、管理料として300円をお願いしている。同庭園は旧五ケ所小学校から車でおよそ5分。道中に写真などが掲示してある。


◆中川地区のチューリップに感動−佐藤宗幸さん

 「こんなにたくさんの花はなかなか見る機会がないので感動しました」と声を弾ませる延岡市本小路の佐藤宗幸さん(36)。日之影町中川地区で撮影したチューリップの写真を弊紙に寄せた=写真=。

 同地区は、毎年3万本以上のチューリップが一斉に見頃を迎えることからチューリップの里として知られる。訪れるのは2度目だが、前回は時期を逸して見ることができなかったという。

 念願のチューリップに「癒やされました」と笑顔。「好きな紫色のチューリップがあってうれしくなった。周りの景色との調和も素晴らしく、本当にきれいでしたよ」と話した。現在、花は終わっているという。


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