遠足で乙島へ−草川小５年生

多彩な体験プログラム楽しむ−門川

　門川町立草川小学校（中田憲治校長）の５年生３８人は２０日、遠足で同町の門川湾に浮かぶ乙島に渡り、シーカヤックやトレッキングを楽しんだ。

　乙島は周囲４キロ、標高８０メートルの自然豊かな無人島。同町は昨年度から、乙島での体験プログラムを活用し、学校遠足や修学旅行を誘致しており、今年３月には東京都内の高校が修学旅行で訪れている。

　この日、児童たちは同校から徒歩で庵川漁港へ。２隻の船に分かれて乗り込み、乙島を目指した。船は荒々しい柱状節理の岩肌や洞窟を案内しながら周遊し、水しぶきや柱状節理の迫力に児童たちは大はしゃぎだった。

　到着後、町職員や町観光協会職員に教わりながら班ごとにシーカヤック、トレッキング、磯遊びを体験した。町観光協会事務局長の大石隆治さん（６９）は「潮の満ち引きなど日ごろ感じられない自然の営みを、きょうはたくさん感じ取ってほしい」と呼び掛けた。

　２人乗りのシーカヤックに挑戦した桂木一悠向（ひゅうご）さん（１０）と岩切舜さん（１０）は「右、左、右、左」と声を合わせ、パドルをこいだ。
「初めは息が合わなかったけど、最後は他の友達のシーカヤックと鬼ごっこをしたり、後ろ向きに進むこともできて楽しかった」と桂木さん。岩切さんは「シーカヤックを一番楽しみにして来た。海の上はすごく気持ち良かった」と話した。

　トレッキングでは、国有林の中に設けられた遊歩道（約２キロ）を散策し、展望所からの眺めなどを満喫した。酒井悠希さん（１０）は「島に来たこと自体、人生で初めて。思っていた通り自然豊かで良い景色」と話した。

　すべての体験プログラムが終わる正午前には、あちこちから「おなかすいた」の声が上がり始め、持参した弁当を和気あいあいと囲んでいた。自由時間に水遊びや魚釣りを楽しんだ児童もいた。