坂本丈武さん（門川）「二十歳の作品展」

シュタイナー教育の「にじみ絵」など−日向

　シュタイナー教育の芸術体験から生まれた絵などを展示した、坂本丈武（じょうぶ）さん（２０）＝門川町宮ケ原＝の「二十歳の作品展」が２６日まで、日向市北町の金子メガネ北店で開かれている。午前９時〜午後７時（最終日は同３時まで）。誰でも無料で鑑賞できる。

　シュタイナー教育とは、芸術体験を通して子どもの意思や感情を育む哲学者ルドルフ・シュタイナー提唱の教育。

　坂本さんは、通っていた保育園の療育クラスで、シュタイナー教育の指導者である内村繁子さん（５９）＝同市富高＝と出会い、１０歳からさまざまな芸術体験を重ねてきた。

　作品展を開くのは今回が初めて。二十歳の節目に、これまでの学びを見てもらおうと企画した。パレットを使わずにぬれた紙に色を置き、色の出合う過程を楽しむ「にじみ絵」を中心に、連続する線を描き自分の中心軸を整える「フォルメン」や、ろうけつ染めのイースターエッグなど多彩な作品が並ぶ。

　特に「見る人がわくわくするような、すてきな世界をイメージした」という「虹色のカーテン」「海につつまれた太陽」などのにじみ絵は、明るく優しい色合いが印象的。

　内村さんは「感情を吐き出すのではなく、静けさと喜びの中で心の奥にあるものが自然に出てくる、その過程を大事にしている」とし、「丈武さんは周囲の雰囲気を明るくしてくれる存在で、私も魅了されている一人。そんな丈武さんの個性が作品にも表れている」と語る。

　坂本さんは現在、宮崎市内の就労継続支援Ｂ型事業所に通いながら、月２回、内村さんの指導を受けている。「みんなに作品を見てもらえてすごくうれしい。ぜひ会場に来て、私の世界に入ってみてください」と呼び掛ける。