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(ラミネート加工は300円追加) |
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渡邊さん爽やかに指揮者デビュー
◆「椛山先生も一緒に」
延岡フィルハーモニー管弦楽団(=延フィル、北林鉄平代表、団員33人)の第14回ファミリーコンサートは18日、延岡市の延岡総合文化センター大ホールであった。昨年12月に亡くなった音楽監督の椛山達己さんからバトンを引き継いだ渡邊祥吾さん(30)=門川中学校音楽教諭=が、爽やかに指揮者デビューを飾った。
第1部はベートーベン作曲「交響曲第7番」第1楽章で幕開き。来場者に弦楽器と管楽器の音色の違いを楽しんでもらおうと、弦楽器によるチャイコフスキー作曲「弦楽セレナーデ」第1、2楽章に続き、コントラバスと打楽器、管楽器によるホルスト作曲「吹奏楽のための第1組曲」(伊藤康英校訂版)を演奏した。
途中、自己紹介に立った渡邊さんは「椛山先生から引き継いだバトンの重さを実感している。『わがまちのオーケストラ』という延フィルのモットーをこれからも大切にしながら、県北の文化の象徴だと認めてもらえるように頑張っていきたい」と意気込みを語った。
第2部は、弦楽器教室(のべおか文化事業団主催)の生徒が、延フィルの弦楽器奏者と一緒に「ドラゴンクエスト序曲」、映画「サウンド・オブ・ミュージック」メドレーを披露した。
最後は、予定では椛山さんが指揮を振ることになっていたドボルザーク作曲「交響曲第9番『新世界より』」第2、4楽章。「椛山先生も一緒に」と団員が思いを一つに、哀愁たっぷりに演奏した。来場者からは大きな拍手が送られた。
またアンコールでは、椛山さんと昨年10月に急逝したバイオリニストで、延フィルの弦楽器トレーナーだった稲田竜斗さんを追悼し、チャイコフスキー作曲「弦楽セレナーデ」第3楽章が奏でられた。
ファミリーコンサートは、家族で気軽にクラシック音楽に親しんでもらおうと、2016年以来6年ぶりに開かれた。フリーアナウンサーの薗田潤子さんが司会を務め、団員による楽器の紹介や曲の解説もあり和やかに進行した。
ドボルザーク作曲「交響曲第9番『新世界より』」第4楽章の演奏前には、第1〜4楽章を通して第4楽章に1カ所しか出番がないシンバルが紹介され、「出番までに眠くなってしまう」といった奏者の苦労話が笑いを誘った。
終演後、渡邊さんは「途中、椛山先生の顔が浮かんできて、いろいろと思い返されて胸が熱くなった。団員みんな同じ気持ちだったのではないか」。北林代表(68)は「椛山先生が亡くなられた後、団員のモチベーションをどれだけ上げていけるか不安もあったが、『椛山先生も一緒につくり上げていくんだ』と気持ちを一つにできたことで、無事にきょうを迎えることができた」と語った。
母親、弟と一緒に楽しんだ延岡市緑ケ丘の室谷一慶さん(11)は「DVDやCDで聞くよりも空気の振動を感じた。迫力がすごかった」。
渡邊さんが顧問を務める門川中学校吹奏楽部の荒竹祐花部長(14)は「渡邊先生の姿やオーケストラの迫力に、自分たちも頑張って練習しないといけないと気が引き締まった」と話した。