緑の中に鮮やかな緋色
本紙掲載日：2022-07-11
7面
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希少植物ヒメユリ−高千穂・五ケ所高原
標高約８００メートルに位置する高千穂町の五ケ所高原で、今年も鮮やかなヒメユリが咲いた。同地域の環境保全団体「五ケ所高原ゴマ姫の草原を守る会」の甲斐英明会長（７３）＝同町五ケ所＝は「今年も咲いてくれました」と喜んでいる。
西日本の一部地域に分布するユリ科の多年草。６〜７月ごろ開花し、緋色（ひいろ）の花弁６枚を杯状に開く姿が星に見えることから「ヒカリグサ」とも呼ばれる。
自生地の南限とされる同地域では、盗掘や獣害により個体数が減少。現在は、県のレッドデータブックで「絶滅危惧�毅僧燹廖⊂鯲磴如峪慊蟯�少野生動植物」にも指定され、利己的採取等は禁じられている。
甲斐さんによると、今年は去年より５日ほど遅い６月２９日に開花、個体数は約半数の１０本ほどを確認した。しかし、空梅雨と連日の猛暑で花期は短いと推測しており、個体数も少ないため一般の観賞は難しいという。
「絶滅種が再び戻ることは考えられない」と甲斐さん。同会は、ヒメユリをはじめ希少な動植物を次世代に残すため、監視パトロールなどの保護活動を行っており「（希少動植物を）見つけても静かに見守ってほしい」と呼び掛けている。