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高千穂町へ油彩画寄贈−アーナー恵子さん

本紙掲載日:2022-07-21
7面
油彩画を寄贈したアーナーさん(左)と甲斐町長

高千穂の魅力、力強さ表現

 「この絵は高千穂町に来たかったんです」と満面の笑みで語るのは、延岡市の現代美術家、アーナー恵子さん(62)=鶴ケ丘=。4日に高千穂町役場を訪れ、遊び心満載に同町を描いた油彩画「世界農業遺産ワッショイ!」(サイズ・50号)を寄贈した。

 アーナーさんはボディーペイント、妊娠中の女性の腹部に安産祈願の絵を施す「ベリーペイント」、各種商品のパッケージデザインを手掛けたり、ワークショップや国内外イベントへの参加、こども美術教室を主宰したりするなど幅広く活躍している。

 絵画は、アーナーさんが感じた高千穂の魅力や力強さをキャンバスに凝縮した作品。2015年に高千穂郷・椎葉山地域が世界農業遺産に認定されたことを受け、翌16年に完成させた。

 白を基調に、棚田や家屋、渦巻く太陽などが描かれ、中央には天手力男命(あめのたぢからおのみこと)が鎮座。空を割る稲光のような描画で神秘的なエネルギーを表現するなど、抽象的要素と写実的要素が素朴かつ大胆に織り込まれている。

 口蹄(こうてい)疫、東日本大震災、夫の死去などを受けて、12年に生まれた「生きるみんなの応援隊〃ワッショイ星人〃」も登場。名物のかっぽ酒やなば(シイタケ)を手に「ワッショイワッショイ」と楽しく行進する姿が元気を与えてくれる。

 寄贈式は町長室であり、アーナーさんは「高千穂に飾ってもらえることはこの絵にとってうれしいこと。ずっとこの町の住人になりたがっていた絵なので、(私も)うれしく思う」とあいさつ。

 甲斐宗之町長は「高千穂の大地、空、いろいろなパワーを表現いただいた。皆さまに元気を与えてくれる絵だと思っているので、ぜひ役場に飾らせていただきたい」と謝辞を述べた。

 担当職員によると、絵は町役場の2階ロビーなどで展示を検討しているという。式を終えたアーナーさんは「『フフッ』と笑ってくれたり、『楽しそうだね』と思っていただければうれしい」と話した。

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