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世界平和願う明かり夜空を彩る

本紙掲載日:2022-07-30
7面

家族ら100組がスカイランタン−延岡・城山公園

 世界の平和と鎮魂を願う「九州スカイランタン」が24日、延岡市の城山公園など九州8県で同時開催され、各会場の夜空に優しい光の彩りが広がった。

 2020年7月の豪雨により大水害に見舞われた熊本県人吉市で、昨年11月に復興イベント「人吉スカイランタン」を開いた若手イベント運営団体「WIP(ワイプ)」が企画。唯一の被爆国である日本から、世界に平和と、新型コロナウイルス感染の拡大や紛争などで困っている人たちへの支援の輪が広まるよう、メッセージを発信したいと賛同を募った。

 このうち、城山公園には観覧を含め、県北各地から400人近くが来場。事前に申し込んだ家族連れなど約100組が、ロシアの侵攻に苦しむウクライナの国旗と同じ青と黄色のスカイランタン(天灯)を受け取った。

 午後8時、合図に合わせて、オンラインなどでつないだ県外会場と共に一斉にランタンを空中に浮かせると、上空はゆっくりと光に彩られ、視界に入りきらないほどの天空ショーが展開。会場からは感動の拍手が湧き起こり、来場者は祈りや願いを込めるように幻想的な光景を見守っていた。

 この日使用したスカイランタンは、ヘリウムガスで浮く風船に小型LED(発光ダイオード)ライトとたこ糸を取り付け、最大15メートルの高さまで上げられる仕組み。風船にかぶせる和紙の袋に参加者がメッセージを書き込んだ。

 門川町から両親と参加した河野咲良さん(11)と弟の空良さん(6)は「『世界平和』と書きました。今はコロナがあるから早く終わってほしい」「かからない(感染しない)ように気を付ける」と、夏休み最初の思い出にしていた。

 会場では聖心ウルスラ学園聡明中学校高等部の2年生有志9人が、準備から検温・手指消毒含む受け付けなどにボランティアで従事。黒木ひよりさん(16)は「世界で新型コロナや戦争の影響が広がっている中、みんなでスカイランタンの光に平和を願い、癒やしにもなってもらえれば」と期待を込めた。

 イベント終了後には風の菓子・虎彦(延岡市幸町、上田耕市社長)からサプライズで、参加者全員にお菓子のプレゼントもあって喜ばれた。

 WIPは今年も11月12日に人吉スカイランタンを計画。玉木和馬総合プロデューサーは「他県の会場も大盛況で、皆さんに喜んでもらえたので、来年はさらに規模を大きくして開きたい。こうした夜のイベントは少ないので、いろんな観光イベントも提案できれば」と話している。

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