旭化成１００周年−工都延岡の思い出（３）
本紙掲載日：2022-07-19
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懐かしい工場のイベント−レーヨン工場運動会、演芸大会
◆藤田洋生（８１）延岡市川原崎町
私が子どもの頃、小学６年生か中学生ぐらいでした。昔の旭化成レーヨン工場は工員の数が多くて、レーヨン工場だけで５千人ぐらいいたとのことで、そのおかげでまちも大変にぎわっていました。延岡市の山下通りや幸町は、休日も平日もいつも工員さんたちでいっぱいでした。
現在、旭化成陸上部のグラウンドになっているレーヨングラウンドでは、毎年１１月３日に運動会が開かれていました。昔のレーヨングラウンドには、東側に田んぼがあって、現在の半分ほどの広さで１周３００メートルしかなく、狭く感じていたものでした。
私は父がレーヨン工場の電気設備課に、母がベンベルグ工場で二交代勤務に就いていた縁で、会社の運動会に行くのも楽しみでした。
各課対抗の競技に汗を流し、仮装行列大会には男性の工員さんがお化粧をして出場、女性の工員さんも整列して応援を送り、会場を盛り上げたものでした。
プログラムの最後に、ベンベルグ工場を折り返し地点とするマラソン大会があったのは、旭化成には昔から足の速い人が多かったからでした。
プロ野球のオフシーズンには、大毎オリオンズと松竹ロビンズが来延して親善試合を行ったこともあります。試合の時には、外からは見えないようにグラウンドの外周にむしろの囲いを張っていたものでした。
「４社対抗陸上競技大会」という大会もあり、旭化成のほかに、門司鉄道管理局、八幡製鉄所、三井鉱山から選手が訪れて白熱したレースを展開していました。今の「ゴールデンゲームズｉｎのべおか」の前身とも言えます。
年末には忘年会を兼ねた演芸大会もあり、各課対抗で出し物を競っていたものです。私自身は別の仕事をしていましたが、１９６８（昭和４３）年の演芸大会で、バックバンドのメンバーを務めたことがあります。昭和を経て、平成、令和と遠くなりましたが、その頃が懐かしく思い出されます。