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「もしも」の時−望む医療・ケア考える

本紙掲載日:2022-10-13
8面
自分の望む医療やケアについて深く考える「人生会議だョ!全員集合」

慈眼禅寺で「人生会議」講話−延岡市北方町

 「もしも」の時のために家族で希望する医療やケアについて考える講話「人生会議だョ!全員集合」がこのほど、延岡市北方町曽木の慈眼禅寺(久峩正経住職)で開かれた。町民ら約150人が参加し、命に関わるような病気やけがをした時、どのような治療を受けるのか、どこで過ごしたいのかなどについて考えた。主催は同寺。

 講師は今年7月、同市で在宅療養支援診療所「縁(えん)・在宅クリニック」を開院した岩谷健志院長(34)。秋の彼岸に合わせて、生きることについて考えてもらおうと、同寺の久峩一晋副住職が同級生の岩谷院長に依頼して開いた。

 人生会議とは、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の愛称で、人生最終段階の医療やケアについて、自分の大切にしていることや望み、どのような医療やケアを望んでいるかについて、自ら考え、家族など信頼する人たちと話し合うこと。厚生労働省が普及、啓発を進めている。

 講話では、岩谷院長が輸液や中心静脈栄養、経管栄養、昇圧剤の投与、人工呼吸器などの医療処置を受けるかどうかを参加者に質問。さまざまな意見が飛び交う中、岩谷院長は「もし治らない病気と言われたのが自分ではなく大切な人だった時、どんな治療を受けたいかについて考えるのは難しいこと」と説明し、改めて家族と人生の最終段階について考えることの大切さを呼び掛けた。

 続いて、参加者は自分の気持ちや言葉で考えるきっかけづくりを目的とした「もしも手帳」を活用しながら、▽できるだけ長く生きるための治療を受けたい▽痛みやつらさを軽減する治療やケアのみしてほしいなどの項目をチェックし、もしも治療やケアについて自分で決められなくなった時、代わりに話し合ってほしい人の名前を書き出すなどした。

 岩谷院長は「人生会議を初めて聞いたという方が多かった。お彼岸の日に人生や命、家族について話し合い、生きることを考えるいい機会になったと思う」と話していた。

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