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皆既月食と天王星食、同時は442年ぶり

本紙掲載日:2022-11-09
1面
皆既月食中に起きた天王星食で、月に潜入する直前の天王星(左の矢印)=8日午後8時21分ごろ、延岡市無鹿町で板谷さん撮影

地球の影に満月が、月に潜る天王星

 満月が地球の影に入る皆既月食と天王星が月に隠れる「天王星食」が8日、日本全国で観測された。天気も大気の状態、透明度もよく、県内でも月食と共に月に隠れる惑星の姿も望遠鏡などでクリアに観測できた。

 部分食は午後6時9分ごろから同9時49分ごろまで、その間の同7時16分ごろから同8時42分ごろまでが皆既月食。月が赤銅色に見える皆既月食は約1時間半にわたって見ることができた。

 その後、部分月食が終わるまでに、天王星が月に隠される「天王星食」も発生した。

 国立天文台などによると、月食中に太陽系の惑星が月に隠されるのはとても珍しく、前回は安土桃山時代で、本能寺の変の2年前になる1580年7月26日の土星食で、442年ぶりのことだった。

 日本で次に皆既月食と惑星食が同時に起きるのは2344年7月26日の土星食で322年後。

 なお、部分月食は来年10月29日、皆既月食は2025年9月8日という。

 延岡市無鹿町の自宅から、皆既月食中の天王星食を撮影したアマチュア天文家の板谷憲一さん(73)は、「深夜、明け方の観測になると愛好家でなければ見ることもないでしょうが、今回は皆さんが起きている間、時間的にとても良かった。それに気候条件も、角度もすべてそろっていた」と感想。アマチュア天文歴50年という板谷さんにとっても「これまで月食は数十回は見てきましたが、きれいさでは最上級の部類」と話していた。

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