延岡市青色申告会が講演会

緒方統括国税調査官・デジタル化を解説

◆税を考える週間

　延岡市青色申告会（吉玉典生会長）の「第１７回税を考える週間講演会」は１７日、同市中小企業振興センターで行われ、会員ら約４０人が参加して講演を聴いた。納税意識を高め、税について理解を深めてもらうために「税を考える週間（１１月１１〜１７日）」に合わせて毎年開催している。

　吉玉会長が開会のあいさつで講演の成果に期待を寄せたほか、「コロナ陽性者の増加、電気料金やそのほかの物価高騰と厳しい経営環境にありますが、１００年、２００年続く企業を目指して取り組む必要があります。先日、税金がどう生かされているか、世界にはどんな税金があるのかを中学生、高校生が調べた作文を拝見しました。われわれも彼らに負けないよう、税金に対する思いと知識を深めましょう」とあいさつ。

　来賓祝辞に続いて延岡税務署統括国税調査官の緒方正剛さんが「電子帳簿保存法の概要と改正ポイントについて」をテーマに講演した。

　緒方さんは経理をデジタル化することで「会計ソフトで作成した帳簿を印刷することなくデータで保存でき、経費の領収書などもスマホなどで撮影して経理処理と保存ができる」などと説明。

　「電子帳簿などによる保存とスマホなどで撮った経理書類の保存は、利用したい人が利用できる制度」である一方、所得税や法人税に関する帳簿書類については「取引情報のやり取りをデータで行った場合、そのデータを保存する義務がある」ことなども強調した。

　また、最初の記録段階からパソコンを使って帳簿を作成する場合、税務署の求めに応じてデータがダウンロードできる、あるいは指定された出力形式（ファイル形式）で提出する必要があることなどを話した。

　参加した人たちは資料に目を通しながら緒方さんの話に聞き入った。また、講演会の後は中町のリバーピアに会場を移して懇親会があり、参加者は和やかにグラスを傾けながら互いの親睦を深めた。