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修電舎に産業振興奨励賞

本紙掲載日:2022-12-07
1面

野口賞授賞式

◆重要施設の浸水被害低減−止水ダンパで受賞

 延岡市の野口遵顕彰会が地元企業の優れた研究開発を表彰する「第22回野口賞」で「産業振興奨励賞」を受賞した修電舎(延岡市大武町、一瀬直行社長)への授賞式が5日、同市別府町のマリエールオークパイン延岡であった。

 受賞テーマは「津波や洪水などの自然災害から重要施設の浸水被害を低減する『止水ダンパ』の開発」。浸水防止ダンパ「ジャバッShut(シャット)」の名で製品化され、2013年から原子力発電所に導入されている。来年3月までの予定を合わせると、納入台数は計64台になる。

 空調ダクトが水路となって侵入しようとする水を防ぐステンレス製の装置。水の重量がかかるとロックが外れて、ふたが閉まる仕組み。11年の東日本大震災をきっかけに、新日本空調(本社東京都)の依頼で開発した。

 授賞式では顕彰会の吉玉典生会長が、同社の甲斐哲次郎常務と環境機器事業部の小田裕一課長、井野内悟史さんに賞状と賞金(50万円)の目録を手渡した。

 「無電源の状態で作動しなければならないことと、原子力発電所の設備として何が要求されるのかが分からず苦労した」と小田課長。現在、製紙会社からも引き合いがあるほか、地下鉄のゲリラ豪雨対策への応用を検討中という。

 一瀬社長は「(取引先の)旭化成に安全、品質、技術面を鍛えてもらったことが、大手と付き合える柱となっており、恩返しができた気持ち。受賞は今後、事業を展開していく上での励みになる」と感謝。また「(同社の所属する)INOBECH(旧延岡鉄工団地)には優秀な鉄工所が集まっているので、これを機に波及効果が出ればうれしい」と話した。

 野口賞は2001年に創設され、受賞者の累計は本賞(100万円)3件、特別賞(同)1件、奨励賞(50万円)12件、同(30万円)6件となった。

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