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2日間かけて舞い、棒術も

本紙掲載日:2022-12-09
8面
高千穂神社で行われた「神話の高千穂夜神楽まつり」

神話の高千穂夜神楽まつり

◆伝統芸能の伝承、後継者育成に

 高千穂地方に伝わる夜神楽と棒術を披露する「第49回神話の高千穂夜神楽まつり」が2日間の日程でこのほど、高千穂町三田井の高千穂神社(後藤俊彦宮司)神楽殿であり、大勢の観光客や地元の人らが伝統の演舞を堪能した。主催は同神社、町観光協会、高千穂神楽保存会、高千穂棒術保存会。

 「高千穂の夜神楽」は、氏神を神楽宿へ招き、秋の実りへの感謝と翌年の豊穣(ほうじょう)を祈願する神事。国の重要無形民俗文化財に指定されており、毎年11〜2月に奉仕者(ほしゃ)と呼ばれる舞い手が夜を徹して三十三番の舞を奉納する。

 一方、「高千穂の棒術」は江戸時代に農民らの間で広まったとされる古武道。無道流、鞍馬流、神影流、戸田流など多くの流派が存在したが、現在は神影流と戸田流の2派が主流。ともに長棒、大刀、やりなどを使った120以上の形を持つ。

 まつりは、伝統芸能の保存・振興や後継者育成を図ろうと毎年開催。今年は、前夜祭に当たる宵祭り、本祭りが行われた。

 宵祭りでは、浅ケ部、後川内、本組、上川登、中川登、下川登集落の神楽保存会でつくる三田井地区神楽保存会(甲斐晃一郎会長)が、式三番と呼ばれる最も重要な舞「神颪」(かみおろし)「鎮守」(ちんじゅ)「杉登」(すぎのぼり)を中心に奉納。彫(え)り物やしめ縄飾りが施された神庭(こうにわ)で厳かに舞った。

 本祭りでは同保存会が残りの舞を、高千穂棒術保存会(佐藤哲章会長)が勇壮な演舞を披露。地域学習として神楽や棒術の指導を受けてきた町立高千穂中学校の生徒も参加し、練習の成果をお披露目したという。

 オランダから九州旅行に訪れたというマルヴィン・キーヴィットさん(34)は「日本にはいろいろな文化が根付いているが、神楽もそのひとつ。伝統的であり、モダンな面もあり、とても興味深い。素晴らしい経験になりました」と話した。

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