県北企業の技術、間近で−高千穂・上野中

旭有機材を見学

　地元企業の社員が〃先生〃となって中学生に授業する「講師派遣事業〜地元企業からの学び〜」がこのほど、延岡市中の瀬町の旭有機材であり、高千穂町立上野中学校（岡田能直校長、２７人）の１、２年生１８人が訪れた。同社の人事部、製造部、技術部の６人がそれぞれ担当し、生徒は講話や工場見学などを通して、地元企業への理解を深めた。

　製造部の社員は「『暮らし』と『プラスチック』」をテーマに講話した。生活の中でプラスチックは欠かせないものとし、同社の主要製品であるプラスチックバルブを紹介。世界で初めて同社が製造しており、金属とは異なり１０年間使用しても問題なく使えることから世界中で使用されていることなどを説明した。

　屋外に移動後、塩ビパイプを水圧で破壊する実験を行った。技術部の社員が透明なふたで覆われたパイプに水圧を少しずつ掛けると、パイプは次第に膨れ上がって大きな音を出してバラバラになった。生徒は水圧によるパイプの変化を間近で観察した。

　続けて、生徒は工場内を見学。工場で一番大きな成形機や半導体産業向けのバルブのためのクリーンルームなどを見て回り、見慣れない機械や施設に興味津々だった。

　また、人事部の社員が同社の歴史や企業理念を説明した後、「会社が求める人材」として同社の中野賀津也社長の言葉を紹介し、「成功するために挑戦してください」とエールを送った。

　２年生の梅本青空さん（１４）は「見たことがないものばかりだった。県北にこんな会社があることは誇れることだと思った」と話した。