五ケ瀬デザインプロジェクト

本紙掲載日：2022-12-21

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地域の良さを生かして－まちづくり案を提言

◆中学生５人、町長らにプレゼン；リード

　五ケ瀬町立五ケ瀬中学校（国生尚校長、７２人）の３年生２２人が、地域の良さを生かしたまちづくり案を考えて町へ提言する「五ケ瀬デザインプロジェクト」（ＧＤＰ）の審査会と表彰式が１５日、町役場であった。審査の結果、「五ケ瀬の自然を町おこしに利用すれば、町全体を活性化できる」をテーマに発表した杉村萌花さん（１５）が最優秀賞に輝いた。

◆杉村さんに最優秀賞

　デザインプロジェクトは官民一体で総合的、計画的なまちづくりを進める「第６次五ケ瀬町総合計画」に基づき、町教委などの協力で実施。同町では、小学１年生から地元の魅力や課題を知る「豊かな体験活動学習」を取り入れており、中学３年生はその集大成に当たる。

　この日は、９月の校内発表会で選ばれた５人が、小迫幸弘町長らを前に１２分の持ち時間でプレゼンテーション。現状や課題の十分な調査がされており、提案の効果も示されているか▽公益性や収益性があり、実現可能かつ実現に向けた問題点と対策の検討が成されているか▽町の重要課題に対して生徒の思いが伝わる内容であるかなど５項目を各５点満点で評価した。

　杉村さんは、自身の体験や独自の調査結果などを基に、①町産木材を使用した子ども向けの木育を行う②町一丸で今ある森林を活用したレジャー施設をつくるの２案を提言。具体的な取り組みや町外の事例、メリットとデメリットなどを交え、町民が地元の良さを伝えることができ、それを生かして発展していける理想の町像を語った。

　発表後、杉村さんは「自然が多い五ケ瀬町が大好きなので（最優秀賞に選ばれて）うれしい。九州中央自動車道が完成すれば観光客ももっと増えると思うので、若者が『帰りたい』と思える明るい町になってほしい」と笑顔を見せた。

　審査会では、最優秀賞のほか優秀賞、優良賞各２点を選んだ。すべての発表を聞いた小迫町長は９年間の活動を終えた生徒たちをねぎらい、「どの案も素晴らしく、町の課題に対する的確な提言だった。また、町のことを真剣に考え、愛着も深まったとのことで大変うれしく思う」と講評した。

　町によると、今後は実現可能な案を検討しつつ、必要に応じて施策等に反映していく予定。これまで、五ケ瀬ワイナリーへのストリートピアノ設置などが中学生の提言により実現している。