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非常に希少国産ムラサキ−九保大、栽培に成功

本紙掲載日:2022-12-28
1面
国産ムラサキの収穫作業を視察する文化庁や九州保健福祉大学の職員ら
北浦町三川内で収穫されたムラサキ

文化庁職員や国宝修復専門家−高品質と絶賛

◆延岡市北浦町の農家が協力

 延岡市と連携して薬用植物の産地化に取り組んでいる九州保健福祉大学(同市吉野町)が、国宝の修復に用いる染料でありながら非常に希少な国産ムラサキ(紫根=しこん)の栽培に成功した。17日には文化庁の職員や国宝修復の専門家らが北浦町三川内の栽培農家を訪ね、収穫作業や作柄を視察。「かなりの高品質」と絶賛し、増産に期待を寄せた。

 九保大は2017年に市と「薬用作物等に関する連携協定」を結び、需要が高い国産のサフランやムラサキなどを協力農家と栽培。薬学部の渥美聡孝准教授が中心となり、武田薬品工業の京都薬用植物園も全面的に支援して、延岡の環境や土壌に適した栽培法や肥料などを研究している。

 ムラサキは医薬品の原料としても出荷されているが、文化庁は染料としての可能性に注目。近年は掛け軸や仏像、古文書など重要文化財の修理に欠かせない道具や材料を生産する担い手が危機的に減少し、一昨年度から「美術工芸品保存修理用具・原材料管理等業務支援事業」をスタートさせた。

 市内では、稲作やゴーヤー、ズッキーニ、ブロッコリーなどを生産している三川内の河野明さん(48)がムラサキ栽培に協力。この日は10平方メートルの畑を深さ60センチほどまで慎重に掘り起こしながら、びっしりと生えたムラサキの根を収穫した。

 また、ムラサキは成分が水で分解されやすいため、洗わずにエアコンプレッサーで泥を取り除いて、網棚で丁寧に乾燥しており、視察した一行は徹底された管理法に感心。現在5キロの収量(乾燥品)を来年には30キロまで増産する計画で、作業・保管施設が不足する見込みなどの課題点を共有した。

 視察した文化庁の中野慎之文化財調査官(絵画部門)は、「ムラサキは栽培が難しいとされるが、専門家により高品質に仕上げられていて期待できる。延岡の専門家が栽培技術を確立しようとしている試みが、文化財の修理現場に頼りにされていることを、ぜひ知っていただきたい」と力を込めた。

 国宝修理装(こう)師連盟の宇都宮正紀専務理事(修美社長)は、「ムラサキは掛け軸の裂(きれ)や巻物のひもなどに用いるが、文化財の修理になると現在の染料は全然マッチしない。過去には南部、江戸、京が三大産地とされ、現在は北海道と岩手県が主な産地だが、この延岡のムラサキはそれらに増して色素が素晴らしく、(修復師の)巨匠もびっくりしている」と絶賛。「工芸界にも大きく貢献していくのは間違いない」と太鼓判を押した。

 渥美准教授によると、九州の中山間地は適度に夏が涼しく、雨が比較的少ないことに加え、九州の自治体で面積が2番目に広い延岡市の立地を生かした薬用植物がサフランとムラサキだったという。協力農家の河野さんは「貴重な作物なので継続して栽培できるよう、できるだけいいものを作っていきたい」と話している。

 改良を担う武田薬品京都薬用植物園の野崎香樹園長は、「安定して作れるところまできたので、さらに高品質で効率よく栽培できるよう、特に肥料の研究に取り組みたい」。渥美准教授は「薬学部だが文化財の分野にも貢献できてうれしい」と、意欲的に語った。

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