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2023年新春インタビュー(4)−田中秀俊美郷町長

本紙掲載日:2023-01-16
1面

地区別定住戦略が全地区で始動

◆若い世代が着実に育ち、町の強みに

−−台風被害の復旧、今後の防災の取り組みは。

町の被害は、河川・町道、林道、農地・農業施設計278カ所でした。なかでも田に影響がある農地災害を早期に着手します。
また、この経験を教訓に地域防災計画に不備はないか、再点検を行います。町民には「自分の命は自分で守る」ことを再認識していただき、早めの対策と早めの避難をと思います。防災に対する意識高揚を図り、消防団や自主防災組織と連携した活動を引き続き行っていきます。

−−いよいよ「美郷町地区別定住戦略(ちくせん)事業」が始動しました。

町内24地区中、昨年13地区、今年からは11地区も動き出します。先の13地区ではSNSでの情報発信、遊休農地や空き家調査、田植えやアユのつかみ取りの子ども体験活動などを行っています。
これまで行政が産業振興や観光に取り組んできましたが、今は地域の若者が中心となって一生懸命動いています。「ちくせん」を通して若い世代が着実に育っていると感じています。町にとっても強みになります。
事業が2025年度に終了しますが、これを第1期と捉え、26年度からは各地域の広域化事業を視野に入れた「第2期」として展開したいと考えています。

−−昨年も各種行事が中止になりました。今後の観光振興は。

御田祭イベント、百済の里いだごろ祭り、うなま地蔵夏祭りが中止となりました。そのような中、10月には町内の商工業、農林業、青年団など19人の実行委員会によって、町民対象のコロナ復興イベント「みさフェス」が開催され1166人が来場しました。
今月は師走まつりが3年ぶりに通常の形で実施されますし、徐々に各地区の行事も元の形で開催されることを願っています。コロナ禍で遠ざけられた町民同士の心の距離を徐々に取り戻していけたらと思います。
町では、移動自体が楽しい観光「DRIVETOMISATO」をキャッチコピーに県内の人をターゲットにした観光振興に取り組んでいます。ドライブを兼ねて町に来てもらい、まだ知らない美郷を探してほしいと思います。

−−これまでの美郷町長は1期で交代し、初めて2期目を迎えた町長となりました。改めて、町政運営に対する思いは。

1期目に役場組織や病院の在り方を変えました。反発はありましたが、そのような中で2期目を任された重み、責任を非常に感じています。
前椎葉村長は、退任時に平成の大合併を振り返り「自立自走の道を選んだことは、村民にとっても一番良かったと確信している」と述べました。それでは美郷はどうかと言いますと、「合併して良かった」という町づくりを目指さなければなりません。誰一人取り残さない町政を目指します。
今年はまず、一日でも早い災害復旧。そして「美郷町まち・ひと・しごと創生総合戦略の推進」、人口減少の歯止めに挑戦してまいります。


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