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2023年新春インタビュー(5)−西川健諸塚村長

本紙掲載日:2023-01-17
1面

熟慮し4月引退を決意

◆次期村長へ・忠恕をもって誠実に

−−任期満了をもって4月に引退されます。

一番の理由は年齢です。現在71歳。さらに4年間、気力と体力を充実させて村民の付託に応えられるのか熟慮し、引退を決意しました。

−−2期8年を振り返って。

就任1年目は国民健康保険諸塚診療所の定着医師の確保に奔走しました。県医師確保対策推進協議会をはじめ、さまざまな関係機関から情報を頂き、1期目で2人の定着医師を確保できたことが、現在の医療体制につながっています。
廃止となった耳川広域森林組合の製材工場を木質バイオマスチップの製造工場として、2021年4月から再利用できたことも良かったです。
昨年3月には、半世紀以上の念願であった国道503号「飯干バイパス(飯干峠トンネル)」の新規事業化が決定しました。
また誕生祝い金の増額、保育所2施設の改築、保育料・保育所の給食費・小中学生医療費の無償化など、子育て支援の充実を図りました。村営住宅などのリフォームや介護職員専用住宅の新築など住環境の整備にも力を入れました。

−−昨年9月の台風14号で村内は大きな被害を受けました。

被災後、浸水家屋の後片付けなどに多くのボランティアが駆け付けてくれました。また多くの個人や企業などから多額の災害見舞金を頂き感謝の念でいっぱいです。
現在は国の災害査定を受けるため、県から技術職員を派遣してもらい、本格復旧に向けて全力で取り組んでいます。
道路が崩壊し全面通行止めが続く国道327号については、国の権限代行による応急復旧が進んでいます。いち早く決断していただき、非常にありがたく感じたところです。
壊滅的な被害を受けた耳川沿いの事業所も懸命に再開に取り組んでいます。一刻も早く日常に戻すため、4月までの任期中に少しでも復旧、復興を前進させたいと思っています。

−−新たなリーダー(次期村長)に望むことは。

自分の良心に忠実であることと、他人に対する思いやりが深いことを意味する「忠恕(ちゅうじょ)」をもって、誠実で公正な職務に精励していただきたい。

−−長引くコロナ禍に加え原油価格・物価高騰など、社会経済はいまだ不安な状態から抜け出せずにいます。

人の命や生活が人為的に無残に打ち砕かれることが、少しでもなくなる社会の実現が根底としてあります。
諸塚村は林業を核とした村です。恵まれた自然や資源を大切にしながら、SDGs(持続可能な開発目標)や脱炭素社会に貢献する意識を高め、良い村づくりにつなげていくことを希望します。また村民一丸となり、創意工夫をもって苦難を乗り切ることを望みます。

−−村民の皆さんへメッセージをお願いします。

人口は減っていきます。その前提で地域あるいは村全体に新しい動きを見いだし、みんなが元気に、何かしらにぎやかな雰囲気を醸し出すことに努めていきましょう。まさに、村民憲章の前文に記されている「不屈の気概」をもって。

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