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師走祭り、壮大な炎が出迎え

本紙掲載日:2023-01-21
1面
3年ぶりに実施された迎え火の中、一本鳥居をくぐり神門神社へ向かう一行(20日午後6時ごろ、美郷町南郷神門)

比木神社一行と再会−美郷町南郷の神門神社

◆22日、下りまし−ヘグロ塗り「おさらばー」

 朝鮮半島「百済」の王族伝説に由来する「師走祭り」が20日から、美郷町南郷の神門(みかど)神社を中心に開かれている。昨夜は「迎え火」が行われ、木城町の比木(ひき)神社一行を壮大な炎が出迎えた。

 伝説によると、百済から日本に逃れ、父・禎嘉王(ていかおう)が日向市金ケ浜に長男・福智王(ふくちおう)が高鍋町の蚊口浦に漂着したとされる。祭りは1300年以上守り継がれており、比木神社に祭られている福智王が、禎嘉王を祭る神門神社を訪ね、年に1度の再会を果たす。

 「上(のぼ)りまし」と呼ばれる初日のきのうは、比木神社の一行が日向市の金ケ浜で「海中みそぎ」をした後、次男の華智王(かちおう)が祭られている同市東郷町の伊佐賀神社で神門神社の一行と合流した。

 午後6時すぎ、神門神社近くの一の鳥居周辺に立ち並んだ20基を超える杉やぐらに次々と火を放ち、「迎え火」で御神幸を歓迎。火の粉を散らしながらごうごうと空高く燃え上がった後、風の影響で辺り一面は真っ白い煙と炎の熱気に包まれた。

 一行は出迎えの炎と多くの見物客に見守られながら、一の鳥居に到着。神門神社境内でのお着きの儀を営み初日の祭事を締めくくった。

 祭り2日目の21日は、王族を助けたといわれる地元の豪族「ドンタロ」さんを祭る塚でのお礼祭り。小丸川での洗濯行事や野焼き、夜神楽奉納などがある。

 最終日の22日は「下(くだ)りまし」。神門神社境内で午前11時ごろから、悲しみを隠すために顔を黒く塗り合うヘグロ塗り、同30分からは一の鳥居で「おさらばー」と叫びながら比木神社へと戻る一行を見送る別れの行事などがある。

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