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湿原に春呼ぶ炎

本紙掲載日:2023-01-23
1面
オギ原をなめるように広がる野焼きの炎(22日午後1時20分、延岡市北川町)

北川町家田で野焼き−延岡

 延岡市北川町の家田湿原で22日、野焼きがあった。オレンジ色の炎がオギ原を走り、広さ約20ヘクタールの湿原を黒く焦がした。

 草を焼くことで害虫を駆除し、芽吹きを促すなどの狙いがある。地元の家田区(河野一郎区長)が毎年1月に行っている。

 風向きを確認しながら点々と火を付けていくと、人の背丈を超すほどに伸びたオギがたちまち燃え上がった。炎はパチパチと音を立てて高さ10メートルにもなり、黒い燃えかすが雨のように降っていた。

 湿原沿いの家田川には絶滅危惧種のサイコクヒメコウホネが自生し、オギ原はタデ科植物やセッカなど野鳥の大切な生息地となっている。黒く〃衣替え〃した湿原も初夏には新緑に包まれるという。

 この日は町内のほかの地区でも堤防や土手の野焼きがあり、地元消防団が警戒に当たった。

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