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地域の畜産、神楽学ぶ−高千穂高生産流通科

本紙掲載日:2023-01-23
6面
日之影神楽を鑑賞する高千穂高校生産流通科1年生(日之影町・大人歌舞伎の館)

視察学習で世界農業遺産への理解深める

 県立高千穂高校(佐伯浩美校長、263人)は17日、生産流通科の農業専門科目「地域資源活用」で世界農業遺産視察学習を行った。1年生10人が高千穂町の畜産農家と日之影町の伝統芸能保存会を訪問。質疑応答などを通じて郷土理解を深めた。

 農畜産物の生産やスマート農業などを学ぶ同科では毎年、課題設定(肉用牛、神楽、焼き畑農業)に基づきグループ単位で総合理解を深める学習に取り組んでいる。

 同視察学習は「実体験がより効果的な学びにつながる」との思いで昨年度から導入しており、この日は高千穂町の三田井、岩戸地区で牛の世話、日之影町の岩井川地区で日之影神楽を見学した。

 このうち、日之影町では大人(おおひと)神楽保存会(甲斐義孝頭取、29人)が同神楽を紹介。収穫への感謝や翌年の豊作を祈る県指定無形民俗文化財であり、深角、岩井川、岩戸、四ケ惣の4流派から派生すること。高千穂神楽の威厳に諸塚神楽の荒々しさを兼ね備えた魅力などを伝え、「天神様」「手力男(たぢからお)」「鈿女(うずめ)」の舞を披露した。

 延岡市出身の新名真佳さん(16)は「授業で育てる牛の健康状態が判断しやすくなったと思う。神楽を見るのは初めてだったが、舞はもちろん素晴らしく、継承に懸ける熱意を感じた。西臼杵郡のことをもっと知りたくなりました」と話した。

 世界農業遺産は、国際連合食糧農業機関のプロジェクト。近代化で失われつつある伝統的な農業、農法、農村文化などを地域システムとして一体的に保全、継承することを目的としており、高千穂、日之影町を含む高千穂郷・椎葉山地域は2015年に認定された。

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