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延岡市倫理法人会−設立25周年

本紙掲載日:2023-01-26
2面

 延岡市倫理法人会(柳田耕志会長、会員200社)の設立25周年記念式典と記念講演会が20日、同市別府町のマリエールオークパイン延岡であった。

◆記念式典・柳田会長「30、40周年へ」

 式典では第4代会長でもある鶴田芳男・倫理研究所法人局法人スーパーバイザーが「倫理経営を志す仲間の輪が一層広がると信じている」と式辞。

 続いて上杉兼一・県倫理法人会会長から祝辞があり、謝辞に立った柳田会長(第11代)は、同研究所創始者丸山敏雄氏の「真に正しいことは、まず己が救われ、それと一緒に人が救われることでなければならない」という言葉を改めて挙げて、「明朗、愛和、喜働、そして純情(素直な心)を継続して、30、40周年へとつながるようにやっていきたい」と述べた。

 同会は、1989(平成元)年に大分県佐伯市倫理法人会の支援を受け、7社で母体が発足。94年3月18日に50社で準法人会、98年に100社を達成し正法人会となり正式発足した。全国726単会中169カ所目。現在の会員社数は県内9単会の中で最多。毎週木曜日午前6〜7時に、エンシティホテル延岡(紺屋町)で開く「モーニングセミナー」を基本の活動として、倫理的な経営を学んでいる。

 初代会長を務めた平林義光さん(88)=平林食品会長=は「自分だけ良ければいい、ではなく地域が良くなるようにと勉強してきた。最初は2人で都城まで勉強に行っていたのが、200社まで増えたことに感無量」と話していた。

◇「与えられた場で最善を」−白駒さんが記念講演

 記念講演は、「人生に悩んだら『日本史』に聞こう」などの著書がある白駒妃登美さん(福岡県在住)による「美しい日本の美しい心」。

 白駒さんはオーストラリアの人に言われて、日本という国の素晴らしさに気付いたという。「真の国際人に必要なのは、ちゃんとした日本人であること。歴史を学び、先人の育んだ文化が身に付いていること」

 ただし「自分の国さえ良ければよい」は真の愛国心ではない。「生まれ育った国に誇りを持っていれば、他国の人もそれぞれ自分の国に誇りを持っていることに気付ける。真の愛国心を持てば、彼らの愛国心を傷つけるようなことはしない」

 その上で「もっと自信を持って、日本の(昔ながらの)美しい心、日本の経営を発信していくべき」と強調した。

 例えば東京の田原町には仏壇店がひしめき合っているが、質の違い(価格帯)で客のすみ分けができているから共倒れしない。「餅は餅屋」ということわざは、他人の専門領域にはむやみに手を出さないが、自分の領域には自信を持つということ。逆に、同じような物を作って同じような値段で売っていれば、価格競争になって共倒れしてしまう。

 また、「富山の薬売り」は、営業先の土地の薬を一緒に売った。相手が得するようにしたから各地で受け入れられた。「ウインウイン」は決して外国から来た考え方ではなく、日本には「利他の心」「諸国客衆繁盛(周囲の人の利益を考えれば、おのずと利益は付いてくる)」の考え方が昔からあった。

 2010年、がんが肺に転移し、医師から「もう助からない」と言われた白駒さんに希望を与えたのは歴史上の人物だった。その中でも大きな存在だったのが、延岡とも縁の深い西郷隆盛。「島流しという理不尽な目に遭ってかわいそうと思ったが、西郷さんの並外れた人間力はその中で培われた。不遇な日々は未来のために必要だったのだと、病床で気付いた」

 「今、私に起こることは未来のため。この瞬間に最善を尽くし、天命に運ばれていく」という「天命追求型」の生き方に変えてから、病状が奇跡的に好転したという。

 「今、うまくいっている人は周りの人に感謝して、大変な人は西郷さんが受けた島流しを思い出し、与えられた場で最善を尽くしてまいりましょう」と、力強く呼び掛けた。

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