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「荒踊」坂本小が継承教室

本紙掲載日:2023-02-09
1面
坂本小学校で行われた拡大版「荒踊」継承教室

ユネスコ無形文化遺産−五ケ瀬

◆全校児童と保護者が演舞

 ユネスコ無形文化遺産に風流踊(ふりゅうおどり)の一つとして登録された五ケ瀬町の「荒踊」の継承教室がこのほど、同町の坂本小学校(松山弘治校長、30人)であり、全校児童や保護者ら約50人が勇壮な演舞を披露した。

 荒踊は天正年間(1573〜92年)、坂本城主・伊賀守正行が創り、孫の山城守入道休覚が守護神二上大明神(現・三ケ所神社)に奉納する令を定めたことで広まったとされ、毎年9月の秋季大祭などで踊られている。

 華やかな武者装束をまとい、やりや鉄砲を持つ舞い手が「行列隊形練りの踊り」「円陣隊形の輪踊り」などを披露。現在は、坂本地区約200戸600人でつくる荒踊保存会(長田豊明会長)によって継承されている。ユネスコ無形文化遺産への登録は昨年11月。

 同校では、郷土学習の一環として35年間にわたり継承教室を開いているが、コロナ禍以降は規模を縮小、お披露目の機会も減っている。この日は、ユネスコ無形文化遺産登録を祝い、継承への機運を高めようと、文化祭に当たる「坂小フェスタ」の拡大版プログラムとして初めて行われた。

 児童たちは、背中に「荒踊」と書かれた青い法被を着て入場。太鼓や鐘の音に合わせ、左右に手を広げるゆったりとした動作や軽快なステップ、なぎなたや棒を振り回す勇ましい姿を保護者らと一緒に演じた。

 鑑賞した長田会長(67)は「児童の皆さんが登録のお祝いをしてくれるという気持ちが本当にありがたい。郷土芸能への関心も高まると思いますし、今後も素晴らしい形で受け継がれていくと期待しています」と笑顔。

 6年生の山中優豪さん(12)は「1年生の時から習っている荒踊がユネスコ無形文化遺産に登録されて誇らしい気持ち。小学校生活最後の踊りで、ミスはあったけど踊りきることができて良かったです」と話した。

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