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地域の人たち集い新年祭

本紙掲載日:2023-02-21
8面
青空の下で書き初めを楽しむ子どもたち
「縁」を揮毫(きごう)し、寄せられた「一文字」に感謝を述べる新田さん

「入下ちくせん」が初企画−美郷町北郷

 美郷町北郷入下地区の新年祭がこのほど、見性寺(久峩正意住職)で行われ、地元の人たちらでにぎわった。入下地区定住戦略会議(入下ちくせん、坂本浩一代表)が、地域のにぎわいを創出し、交流の場を提供しようと初めて企画。当初は1月の「成人の日」に計画していたが、コロナ禍を考慮して延期されていた。

 この日は境内に書き初め、本堂に写経のコーナーが設けられ、訪れた人たちがそれぞれの思いを込めて筆を取った。このうち書き初めコーナーでは、大人も子どもも半紙に向かって今年の目標や好きな言葉をしたためたほか、イラスト入りの書を仕上げる姿も見られた。展示スペースに作品の数々が張り出されると、書いた人も書かなかった人も、笑顔で見入っていた。

 入下ちくせんは、この日のために昨年11月から「今年の漢字」を募集。地元の人たちから夢や希望、故郷の発展を願う20字が寄せられ、その文を織り込んだ住民へのメッセージも作成した。

 大判の和紙に書き起こされたメッセージを、新田夏姫さん(小5)、川西いさみさん(中1)、坂本凜さん(中2)が輪読。さらに、その中から選ばれた一文字「縁」を、入下ちくせんの新田克志さんが太い筆を使って和紙の中央に揮毫(きごう)すると、会場は拍手に包まれた。

 広がった笑顔の輪に久峩住職は、「何が起こるか分からない、有為転変(ういてんぺん)の世の中。不安に満ちた世の中をどう生きれば良いのか、それは一日一日を完全燃焼すること。そして明るい方、光明面に目を向けること。暗黒面を見詰めると人生が暗くなる。どうか光明面を見詰め、日々を明るく楽しく過ごして」と参加者に呼び掛けた。

 祭りの締めくくりは餅まき。軽トラックの上から入下ちくせんのメンバーが餅やお菓子をまくと、子どももお年寄りも一緒になって歓声を上げ、拾い集めていた。

 坂本代表は「延期したことで人出を心配したが、多くの人たちに来てもらえた。皆さんが集える場所を提供したくて企画したことを、思った通りに実現できて良かった」と初の試みに手応えを感じた様子。「1年目は『入下ちくせん』を周知することが目標で、(新年度からの)2年目は、ちくせんに何ができるのかを考えながら活動を広めていきたい」と意気込みを話していた。

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