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第1弾ポスター「椎葉編」が完成

本紙掲載日:2023-03-10
1面

日向東臼杵インフラツーリズム−日向商工会議所

◆モデルは山中さん夫妻−ダムへの物語に誘導

 インフラを観光資源に地域活性化を図ろうと日向商工会議所(三輪純司会頭)が主体となって取り組んでいる「日向東臼杵インフラツーリズム」のポスター「椎葉編」が完成した。同商議所でこのほど、記者発表があり、三輪会頭やポスターの企画・監修を行った成澤けやきさん(48)=ZELKOVATREEMUSIC=、デザインを担当した今村知佳さん(40)=arti=らが出席し、思いや見どころを語った。

 インフラツーリズムはダムやトンネルなどのインフラを観光資源にしようという考え方。同商議所が2021年4月に県北部広域行政事務組合から業務を受託し、圏域の5市町村や商工団体、観光協会、日向土木事務所、九州電力耳川水力整備事務所と各地域の特色を生かしたリーディングプロジェクトの策定を進めてきた。

 その一環として昨年4月から椎葉村、諸塚村、美郷町のPR用ポスターの作成に着手し、2月末に第1弾となる椎葉村編が完成した。

 ポスターはA1サイズ。上椎葉ダムの上に同村在住の山中里盛さん(92)カツ子さん(83)夫妻が笑顔でたたずんでおり、「ダム湖を船で追いかけたとよ。」との一見、謎めいた文字が書かれている。

 2次元バーコードも掲載されており、読み込むとウェブサイト「ひゅうが奥日向インフラツーリズムインフラサイドストーリー〜そこにある物語〜」へと移動。文字の意味を含む山中さん夫妻や上椎葉ダムに関連した物語が紹介されている。そのほか、上椎葉ダムやダムカレーなど村の観光情報を得ることもできる。

 記者発表では、三輪会頭がこれまでの経緯を振り返りながら「新しいアプローチの仕方。台風14号で非常に大きな被害を受けた奥日向の一日も早い復興を願いながら、今後もインフラツーリズム、社会資本の整備を含め地域が一体になるよう取り組んでいきたい」とあいさつした。

 成澤さんは、上椎葉ダムと椎葉で暮らす人たちの生活が垣間見えることがポイントであるとし、「ポスターだけでは伝えきれない魅力のあるストーリーをクロスメディアということでウェブを使って見ていただく。ストーリーが浮かび上がることにより、インフラに対する愛着が湧くという仕掛け」と紹介。

 今村さんは、ありのままを意識したと言い、「2回の撮影を行ったが、2回目はご夫婦が散髪し、おしゃれ着を着て『よそ行きの感じ』になってしまったため、1回目の撮影の方にした。ストーリーも発されたままの言葉をふんだんに使い、人となりが伝わってくるようなものにした」と話した。

 地元の感想として、椎葉村観光協会の椎葉奈木沙事務局長は「ストーリーを感じることで、村をもっと深く感じてもらえるのではないか」。同村地域振興課の綾美智代課長補佐は「上椎葉ダムは村にとって大切な観光資源の一つであり、村民の生活に根差したもの。本当にすてきなポスターができた」と喜んでいた。

 ポスターは、200枚製作されており、圏域5市町村の観光施設や県内の道の駅に掲示して観光誘致を図るという。なお、諸塚編は今月末、美郷編は5月末までに完成予定。

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