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県地域づくり大賞を受賞

本紙掲載日:2023-05-10
1面

椎葉村の焼畑蕎麦苦楽部

◆先人の知恵守り、伝統を後世に

 地域振興に功績のあった個人・団体に贈る2023年度県地域づくり顕彰の授賞式が9日、県庁講堂で開かれた。県北は椎葉村の「焼畑蕎麦苦楽部(やきはたそばくらぶ)」(椎葉勝代表、13人)が県地域づくり大賞を受賞し、河野知事から表彰状を受けた。

 同団体は、「先人たちの知恵と守りつないできた伝統を後世に残していかなければならない」との危機感から2008年に設立し、椎葉の伝統農法「焼畑」の継承活動に加え、体験プログラムの実施などを通じて、交流人口の拡大に大きく貢献している。

 焼畑農法を切り口にした火入れやそば打ちなどの体験プログラムは、村内外から年間300〜400人を受け入れるなど関係・交流人口づくりを推進。後継者の育成にも注力し、移住者や地元出身の若者を含む20〜70歳の会員13人が助け合いの精神で活動している点などが高く評価された。

 こうした取り組みは、世界農業遺産「高千穂郷・椎葉山地域」の認定の際にも大きく評価された。18年度には豊かなむらづくりの全国表彰(農林水産大臣賞)、21年度には地域再生大賞優秀賞を受賞するなどしている。

 このほか、地域づくり大賞は西米良村長を6期24年務め、村の認知度向上や地域活性化に大きく貢献した黒木定藏さん(74)、同優秀賞は農村体験活動を通じ、地域のファンづくりに貢献した都城市の「ばぁばの知恵袋さくら」(末永陽子代表)が受賞した。

 授賞式では河野知事が「表彰を機に地域づくりのモデルとして、ますます活躍し、頑張っていただきたい」と激励。受賞者あいさつで椎葉代表は「山の暮らしは厳しいが、宝の山。山野草、山、川、ダム、神楽、狩猟など、そこにあるものを上手に生かし、発信することが大事」などと話していた。

 県地域づくり顕彰は、宮崎の地域づくりの推進に寄与することを目的として1996年度に創設。今回が28回目。選考委員会の選考を踏まえて決定した。昨年度までに大賞は11個人5団体、優秀賞は1個人11団体、奨励賞は5個人55団体が受賞している。

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