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暑さに要注意、業務中の熱中症−7、8月に多発

本紙掲載日:2023-05-17
1面

22年前年の68人を大幅に上回る120人

 2022年中に県内で発生した熱中症による労働災害(発症者数)は120人で、前年の68人を大幅に上回ったことが宮崎労働局のまとめで分かった。このうち休業4日以上の労災は16人で、記録に残るこの14年間で最多だった。毎年7、8月に多発しており、労働局は注意を呼び掛けている。

 同局健康安全課によると、職場で熱中症になり医療機関を受診した人は17年以降、100人を超える状況が続き、20年は133人と過去最多を記録。21年は8月後半に気温が低い日が多く発生数が減ったことで、22年は前年比が顕著に拡大する結果となった。発生場所は屋外が66%(79人)と多かったが、屋内も34%(41人)を占めた。

 総数に比例する形で休業4日以上の「死傷災害」も増加傾向にあり、22年は過去最多だった20年の15人(うち死亡1人)を超過。死者こそなかったが、より重度な熱中症労災が前年を10人上回った。

 2009〜22年の統計によると、業種別では最多の建設業が27%、続く製造業が21%、農林業が18%と、上位3業種で6割以上を占め、商業8%、畜産・水産業4%などと続いた。

 時間帯は昼休みを挟む午前10時〜正午、午後2〜4時台に多く発生。年代別では50代が31%と最多で、20〜40代と60代が15%前後などで、死亡は50代で1例と60代で2例となっている。

◆9月まで−クールワークキャンペーン

 この夏も高温傾向が予想されることから、宮崎労働局(坂根登局長)は今年も5月から9月までを「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」の期間に定め、各業界に対策の徹底を求めている。

 厚生労働省によると、熱中症に伴う休業4日以上の死傷者は昨年中に全国で805人報告され、うち28人が死亡。その多くは「暑さ指数(WBGT)の把握」と「熱中症予防のための労働衛生教育」を怠り、「発症・緊急時の措置」が不適切だったとして、今年のキャンペーンはこれらを重点指導している。

 暑さ指数については指定する日本産業規格に適合した測定器を準備し、環境省と気象庁が発表する熱中症警戒アラートを活用。新規職員や休み明け職員らを考慮した暑さへの順応プログラム、十分な休憩の確保、基準値を大幅に超えた場合の作業中止、職員が熱中症で体調不良になった場合の対策などを盛り込んだ作業計画の策定を求める。

 基準値を超えそうな場所には日よけの屋根や通風・冷房設備、散水設備などの設置、作業現場付近には冷房など涼しい休憩所の確保を検討。各部門の管理者や労働者に対し、厚労省のマニュアルや要点をまとめた熱中症予防カードなどを活用した教育研修を実施するよう呼び掛けている。

 宮崎労働局は発生件数の多い建設業や建設現場の交通誘導に当たる警備業、林業などの関係団体と事業者団体(計119団体)を中心にこれらの対策を要請。7月を重点期間に定めており、「今後も県内の企業や労働者の方々に熱中症予防対策の徹底を働き掛けていきたい」としている。

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