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高潮浸水想定−沿岸10市町の区域図を更新

本紙掲載日:2023-05-26
1面
更新された高潮浸水想定区域図の延岡市中心部。県が沿岸市町の想定をHPで公開している

最悪の事態を反映−県HPなどで公表

 県は25日、延岡市など沿岸10市町の高潮浸水想定区域を見直した。最大規模の高潮により想定される浸水の区域や水深、継続時間を示した「高潮浸水想定区域図」を更新。県河川課は「図で自宅周辺を確認し、浸水の恐れがある場合は早めの避難を考えてほしい」と呼び掛けている。

 2015年の水防法改正を受けて県は21年、国内過去最大規模(中心気圧900ヘクトパスカル、半径〈最大旋衡風速半径〉75キロ)、時速73キロの台風に襲われた場合の高潮浸水想定区域図を公表。その後、国の作成手引きの改定に伴って区域図を更新した。

 新たな区域図作成には、国の機関や専門家の助言を基に検討。沿岸に最大の高潮を発生させるような台風の経路を設定したり、速度の遅い台風の接近や主要河川における堤防の複数決壊などの条件を加味。想定される〃最悪の事態〃を反映するなどした。

 その結果、浸水面積は3340ヘクタールの延岡市が10市町の中で最も広く、北川や五ケ瀬川沿いでは、水深50センチ以上が1〜3日未満続く地域があるなどと予測した。

 区域図は、県ホームページや沿岸の土木事務所で閲覧可能。10市町は区域図を基に高潮ハザードマップを作成することが水防法で義務化されており、県はデータや事例の提供を通した作成支援のほか、県民への周知などに取り組むとしている。

□最大旋衡風速半径

 台風の中心から最大風速が発生する位置までの距離のこと。台風の空間的な大きさの目安となる。気象庁の台風情報にある暴風域や強風域とは異なる。

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